何でも雑記
修理依頼されたアンプの故障個所は?(3)
<(2)からの続き>
ユニット基板の配線と修理が終わったので、動作確認をしなければなりません。
スピーカーに接続して音が出るか?
両チャンネルともバッチリ音が出ました!!
これで故障個所は直ったことが確認できました。
次は、壊れていたスピーカーターミナルを別の部品に取り換えるんですが、ちょっと細工が必要ですね。
まず、元の端子が付いていた箇所を塞ぐように、アルミのLアングルをあてます。
このLアングルがアンプにしっかり取り付けられるか確認して、自宅に持ち帰って工作します。
万力で挟んで、センタードリルを使って、黒丸の中心に下穴を開けたんですが・・・
あーあ! ヘタクソ!
こんなにずれてちゃダメなんです!
そして、穴の開け直しはもう出来ないんです。
どうする?
やすりで穴を広げて、穴の中心位置がほぼ揃うようにしました。
このあと、10ミリ径のドリルで穴を広げればいけるはず・・・
ちょっとずれていますが、何とかなりましたね! あー、良かった!
作業中に、注文しておいたスピーカーターミナルが届きました!
これを実装してみると、こんな感じ
何とかここまで出来ました!
これを明日職場に持って行って、アンプ本体に取り付けます。
あともう少しですが、手こずる箇所がもうちょっとありそうなんです。
(続く)
修理依頼されたアンプの故障個所は?(2)
<(1)からの続き>
職場のスピーカー、テスターと配線材を使って、簡単なテストを行ったところ、リレーが故障していることがはっきりしました。
また、リレー直前の信号を取り出してスピーカーに繋げてみたところ、キチンと音が出ました!
これで、直す箇所ははっきりしました!
さて、部品、工具の調達ですが、これに結構時間がかかってしまいました。
まず、故障しているリレーを交換しますが、製造中止品で、しかもピン配置の同じ代替品もありません。
そこで、動作電圧、電流容量のほぼ同じ代替品を探して注文しました。
故障していたのは片チャンネルでしたが、劣化具合は両チャンネル共同様と考えられるので、両チャンネルとも交換します。
上が故障部品、下が代替部品
リレーのピン配置。上が代替部品、下が故障部品
ピン配置が上のように異なるので、基板に新しい穴(1.2ミリ)を開ける必要があります。
正確に穴を開けるために、ピンバイスハンドドリルなるものを見つけて使ってみました。上手くいきました!
では、部品を実装してハンダ付けします
右端のピンは基盤のパターンと接触してはいけないので、このような加工にしました
このあと、右端のピンと右から3番目の穴を別配線で接続します
下の写真は、上を左右反転した状態です
この後、左端の穴には充填剤を注入して、絶縁と接続部の固定も兼ねさせます
今回の立役者、センタードリル、面取りドリル、ピンバイスドリル、半田吸い取り器です
どれが欠けても作業が出来ません!
基盤の表面です
さあ、これを明日職場へ持って行き、音出しテストを行います!
上手くいきますように!!
(続く)
夏休み最後の日曜日なので・・・
今日は、夏休み最後の日曜日です。
天気も良さそう!
やっぱり山行きたい!
近場でどこにしよう? と考えて、秩父御嶽神社の急階段を登り、本殿からそのまま稜線を進み、子の権現までという案に。
御嶽神社本殿からの稜線は、あまり歩かれていないコースなのでやや心配でした。
そこで、今回は、スマホ登山用アプリを初めて使ってみました!
ヤマレコMAPというアプリを使ったんですが、もうホントに良く出来てるんです!これが!
地図は歩く山域のものをあらかじめダウンロードしておくので、山行中はネットにつながらなくても問題なし!
そして、山行中はGPS機能を使って現在位置、進む方向がほぼ正確に分かります!
しかも、あまり歩かれていない山域でも、コースを歩いた人のルートが少数ながらキチンと記録されていて、
それが地図上に表記されるんですね!
現在地の把握、歩いてきたルート、コースタイムなどリアルタイムに即座に分かります!
今回、これらの機能をフル活用させてもらいました!
スマホは、落下防止のワイヤーを付けてポケットに携行し、始終取り出して確認しました。
心配していた電池の減りも問題なし。日帰り登山くらいなら、予備バッテリ-は不要でしょう。
こんな便利な機能を今まで知らなかったとは・・・!
さて、御岳神社駐車場に車を停めて出発です!
名物の急階段です。368段をノンストップで登ります!
あれ? 前より体が軽くなっている感じ! 前より楽に登れている感じです。
毎日のスピードウォーキングが効いてるのかな?
そして、この登り切った頂上に真っ青な空が見えるシチュエーションがすごく好きなんです!
さて、ここからあまり歩かれていないルートに入ります
でも、藪こぎするような大変なルートではありませんでした
このルートを1時間20分ほど歩きましたが、すれ違った人は1人だけでした
前回撮らなかった子の権現に立つ道標です
今日の山頂展望所からの景色は、やや霞がかかっていました
雷で焼けた大杉。2本とも被雷したんだと思います
子の権現からは、登りルートの南側を下りました
このルートは、程なくして車道に出ます
そして、またナツズイセンに出逢えました!
アゲハがナツズイセンの周りを舞い、花の蜜を吸っていました
ナツズイセンは、ヒガンバナ同様、葉がないリコリス属です
名前の通り、夏が過ぎると逢えなくなるんでしょうね・・・
さて、今回使ったアプリの画面です
橙色の点の集まりが、今まで歩かれてきた踏み跡、赤紫色の実線が自分の歩いてきた踏み跡です
本当に強力な助っ人です!
次回以降も助けてもらおうと思います!
このアプリによると、今回の自分の歩いたスピードは、「とても速い」と表記されました!
この週末は湿度が低い晴天と聞いていたので・・・
今朝、いったん目が覚めて、もうちょっと寝たいなあと・・・
夏の疲れ? いや、そんな感じじゃないんです。気持ちいいからもうちょっと寝ていたい、っていう風な。
その後5時20分ごろには起きて、まだ寝てるカミさんに一声かけておきました。
カミさんが遠出したいって言えばそうして、休みたいって言えば山行こうと思いついたんです!
そして、コータ散歩を終えて帰ってきたのが6時。
カミさんは疲れてたけど、野菜買い出しとドイツパン買いに行こうかという話になりました!
今日は、いつも関越道で出かける時気になっていた「道の駅ららん藤岡」「道の駅玉村宿」を探検して野菜を仕入れる。
それから、その近くのベーカリーに寄ってハードパン出来たらドイツパンを買う。
この2つだけにして、早めに帰ってくることにしました。
出発は6時半でしたが、圏央道、関越道、上信越道と乗り継いだけど渋滞には全く引っかかりませんでした。
藤岡ICを降りて8時半に「道の駅ららん藤岡」に着いたんですが、まだ開いてない。24時間営業って書いてあったのに。
ちょっと普通に見かけるモール風でもあったので、開店を待たずに前橋市のベーカリー「政次郎のパン」に向かいました。
こじんまりしたお店だったけど、ドイツパンもちょっとあって、お客さんが次々に来ていました。7時半にはもうやってる!
次は、安いドイツパンが人気という高崎市の「シュヴァイン」に向かいました。
もう着くよ、というところで、「卸売市場」の看板が見えたので、ちょっと行ってみよう! と寄り道。
川越、八王子、所沢の各市場では、土曜日に一般客に開放していたので、ここも? と思ったんですが、当たりでした!
高崎市の市場は大きい! 鮮魚、青果、食品など品揃え豊富! 鮮魚は量も種類も多い!
もちろん、業者や料理店向けの高価で立派な品ばかりなんですが、その中で手の出る値段のものを見つけて買えばいいんです!
ああ、旅行中なんで鮮魚買えないのがとっても残念でした・・・
自分は、料理屋さんからの中古キッチンバサミを1000円で買いました。良く切れそうでしたよ!
ほら、一般客の人たち多いでしょう?
またここ来たいなぁ。前橋市の市場も大きいんだって! 一般解放の日以外も入れると思いますよ!多分ね。
野菜もいいものが多く、しかも安かったのでかなり買いましたよ!
ん? だって、ここは魚ではなく野菜の方が産地ですよね?(魚もキレイで立派でしたよ!)
さて、ではベーカリー「シュヴァイン」に行きましょう。
ここは、素朴で気取らないパン屋さんって感じ。でもマイナーなドイツパンを安く提供してくれる人気店みたいです。
ライ麦パンを何種類か買いましたが、ライ麦100%のプンパーニッケルは残念ながらまだ焼きあがってなかったです。
また来たいですね!
そして次は「道の駅玉村宿」でやはり野菜を買い、埼玉に戻ることにしました。
帰りは高速道を使わなかったので、埼玉の神川村、美里町、小川町の直売所や道の駅に寄れました!
美里町広木付近の景色が良かったです!
今日は、湿度が低い感じでしたが、予想以上に暑かったです!
帰宅してから、やっぱり体動かそう!と、12km速歩で汗をかきました。
その道中、初めて出会った鳥を写真に収めたんです! 画像ホントに小さいんですが、見て下さい!
護岸ブロックの上の右側です。 そうなんです! カワセミに逢えたんです!
韓国、日本との軍事情報包括保護協定の破棄を決定
本日、韓国は、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を発表しました。
日本政府内には、韓国側が協定の破棄まではしないだろうという観測が強かった事から、
韓国側の決定は衝撃をもって受け止められています。
解説によると、この協定は、韓国側にも大きなメリットがあり、日米韓3国の連携にも関わっている非常に重要なものです。
それを破棄したのですから、非常事態だと思うんですが、それほど韓国の怒りが凄いというサインは受け止めるべきなんでしょう。
最近、韓国の知識人の考えを色々と読んでみて、自分が、昔の韓国と日本との関係について、あまりにも知らなかったことに恥ずかしさを覚えました。
「日本による日韓併合の時は国(韓国)が無くなった。だが、日本はそのような屈辱的な経験を味わったことがない」
「慰安婦問題、徴用工問題などで、日本は解決済みとばかり言って、誠意ある謝罪はしていない」
特にこの2つの点が衝撃的でした。
過去の歴史について、解釈は色々とあるのでしょうが、
少なくとも、韓国の人たちの心の底に消えずに残っている「悲しみ怒り恨み」について、理由も含めて良く考える必要があるんだろうと思っています。
修理依頼されたアンプの故障個所は?(1)
右チャンネルの音が途切れ途切れに出る、左チャンネルの音は全く出ない、という症状です!
スピーカー端子も、折れてグニャグニャになってる・・・
NGとありますが、半分見捨てられてる状態なんでしょう。
でも予算が無いので、「直せるのなら何とかして欲しい!」 ということなんです。
早速上部カバーを外してみると、端子のハンダが取れている箇所があり、まずはここのハンダ付けをやり直しました。
これで直れば、ことは簡単だったんですが・・・
まあ、そうは問屋がおろさないでしょうねぇ。
右チャンネルはしっかり音が出るようになりましたが、左チャンネルは全く音が出ません。
スピーカー端子があんな感じだったので、出力が鉄シャーシに接触して何度もショートした可能性が考えられます。
保護回路が入っていると言っても、パワートランジスタがダメージを受けているかもしれません。
すると、終段のパワートランジスタとその周辺を交換修理しなければなりません。
この下の方に黒く見えているのが、パワートランジスタです。
で、音が出なくなった時の状況を尋ねてみたところ、自分の勘ですが、どうもパワートランジスタは大丈夫かもしれないと感じました。
では、次に疑う箇所ですが、保護回路に使用されているリレーです。
このリレーの役目ですが、電源オンオフ時のポップノイズを防止したり、過大出力時や出力端子のショート時からパワートランジスタを守ったりしています。
リレーの中身は「電磁石で作動するスイッチ」なんですが、このスイッチは機械的な接点なので寿命があるんです。
今までも、古いアンプではこのリレーの不調をずいぶん経験しました。
このアンプのリレーは、黒い長方形の部分でomron社製です。(2か所)
さて、本当にリレーの故障なのか調べる必要がありますね。
2つのリレーに指を当てて、電源を繰り返しオンオフしてみましたが、リレーの電磁石は2つとも動作しているようです。
そして、左右どちらの出力にも異常な信号は出ていないことも完ぺきではないにせよ分かりました!(異常信号が出ていればリレーが動作しない)
ここまでで、リレーの手前までは正常である可能性が出てきました!
アンプの左右チャンネルに信号を入力して、リレーの手前の配線から出力信号が検知出来れば、ほぼ故障原因が特定できたことになります!
(続く)
物理準備室の床で1泊したんですが・・・
昨夜は、アンプの修理の続きをやっていたので、合宿棟ではなく物理準備室の床で寝ました。
登山の時はどんな所でも寝るという感じなので、それに比べれば、「屋根付き空調付き平らな床」なら天国なんです!
段ボールを敷いておいたので、掛け布団と枕だけでホントに大丈夫なんです!(冬は床からの冷え対策必要)
あとは、寝ている間に蚊に刺されないか、体の上をゴキブリが這っていかないか(!)が心配だったけど、大丈夫でした。
ところが、朝起きてみると、自分でセットした覚えがない機械警備が警報を発していました!
慌てて警備会社に電話すると、警備会社の方が事情を知らずに警備をセットしたとのことでした。
こちらから連絡しておくべきでしたね。すみませんでした。
早朝速歩は雨のため出来ませんでしたが、頼まれていた朝食買い出しに5時半ごろに出かけました。
この時間に、おにぎり30個が入手できるかですが、一般的に深夜便での入荷があるようだと聞いていました。
実際、ファミリーマートに行ってみると、種類も数も充分でした!
でも、自分が6個、12個、18個・・・とおにぎりをカートに入れていくのを、店員さんが困ったような雰囲気で見ていたんです・・・
おにぎりの残りは、最初の2割くらいに減ってしまっていました。
「あー、そうだよなぁ。計画的な仕入れだろうから、あてにしているお客さんが困るよなぁ」と気付きました。
そう思いながらも、駅前の店でもないからと買ってしまったんですが、次回からは予約をしておいた方がいいですね!
これも反省点でした。
やはり、ちょっとしたことでも、前もって充分に調べて考えておくことが必要ですね。
追憶の夜行列車(1)
今晩は学校に宿泊で時間もあったので、ちょっと恥ずかしいんですが、短い文章を書いてみました!
ここに出てくる中学生は、昔の多感なころの自分です・・・
(2)は書けるかなぁ・・・
<追憶の夜行列車(1)>
彼も、もう中学校1年生になっていた。
その年の夏、突然、父親が広島の実家に帰省すると言い出した。
彼も一緒に連れて行くと言う。
彼はもう嬉しくて嬉しくて、帰省当日が待ち遠しくてしかたがなかった。
まずは、大好きな夜行列車に乗れるからである。
帰省前夜は興奮して眠れないほどであった。
当日の夜、鹿児島本線小倉駅に向かうバスの中でさえ、もう全く未経験の特別な旅であるような感覚の中にいた。
父から急行座席指定券、乗車券の2枚を受け取るところから、ワクワクする儀式のようであった。
大きな構えの国鉄の駅舎に着き、長い通路を歩いて階段を昇り降りし、ようやく到着ホームに立てる。
内側からの明かりで照らされ、1年中消灯されることのない時刻表を目で追ってみる。
普通列車、特急寝台列車に混じって、2人が乗る列車「寝台急行日南3号新大阪行き」がはっきりと記されていた。
座席指定券を渡されているのだから、今回寝台車には乗れないとは思っていたのだが、「寝台急行」の表記に、もしかすると寝台車両に乗れるのかもと、かすかな期待を抱いていた。
この列車は、はるか南の日豊本線都城駅をディーゼル機関車DF50に牽引されて発車し、小倉駅でステンレス車体の海底トンネル専用電気機関車EF81に付け替えられるのである。
当然のことながら、鉄道好きの彼はこの機関車付け替え作業の一部始終を見守っていた。
電車と違い、機関車がけん引する列車では、動力源が機関車だけに集中している。
そして、機関車はけた違いに重い車輛である。
そういう訳だから、このマッシブで鉄のかたまりのような車輛が近づいてくる時に発するエネルギー、特に音は、感動して鳥肌が立つような迫力を帯びている! いや、人によっては怖いというかもしれない!
今思えば、だんだんと近づいてくるこの強烈な音のかたまりは、オーケストラがクライマックスに向かっていく時に発して押し寄せてくる音の波にそっくりである!
この地域では珍しい電気式ディーゼル機関車DF50を見送ったあと、彼はわざと寝台車輛のデッキから列車に乗り込むのだった。
一人旅も大好きだった彼にとって、寝台車に乗れることほど嬉しいことはない。
52センチ幅の狭い寝台!
下段は走行音が大きいが揺れが少ない。上段は揺れが大きくてはしごを上らなくてはいけないが、レールの音が小さくて荷物スペースも広い。中段はわずかな窓のすきまからちょっとだけ夜景が見える!
もう一つ、今では考えられないかもしれないが、日中の下段は、上中下段の座席でもあるのだ。
なので、中上段の人が上にあがってくれるまで、下段の人は横になることも出来ないのである!
この3段の寝台スペースは、深夜は通路の明かりが暗くされた中、厚手のカーテンで仕切られた個室に変身するのだ。
あちこちのカーテンの中からは、レール音の伴奏に乗った寝息が静かに聞こえてくる。
中にはいびきをかいてる人もいる。
もちろん、彼が寝台車に乗るときは、眠ったりしない。
この最高に夢のある夜行列車の旅を、1分でも長く味わっていたいのだ・・・
(続く)
今日は部活動合宿に参加!
今日は1週間ぶりの朝補講のあと、部活動の合宿に1日だけですが、お手伝いをしています。
なので、久々に学校に泊まりです!
先ほど、1時間ほどの通し稽古を観たのですが、作品の内容は難しく、やはり全部を把握しきれていません。
高石 紗和子さんの「盲聾 Blind of Deaf」という作品でした。
そんな時は、初めて聞く音楽に自分が接する時のように、役者さんの声そのものを一生懸命聞いていました。
その音に、その声に、どれだけ気持ちがこもっているか? どれだけ生命力が感じられるか?
役者さん自身のその部分への想いは、少しは感じ取れたような気がします!
さて、もう一つ自分に依頼された件があるんです。
依頼されたのは、演劇会場で使用するアンプの修理です!
写真は icloud から自分の cloud に自宅で移送しないといけないので、画像と共に内容は明日以降に載せますね。
職場の物理室のケーブルやパーツを使って Test が色々と出来たので、故障個所がおおよそ特定できました!
何とか直りそうな見通しです!
うれしい!!
繁栄と引き換えに失った心
もう20年も前の、瀬戸内寂聴さんの文章ですが、読んでみて下さい。
自分は、現代人も多かれ少なかれ気付いていて、心に突き刺さっている内容だと思っています。
でも、現状に悲観せず、行動できることを実践していきたいと強く思っています!
そして、考え方についても、
変えていかなければならない点、または昔に戻った方がいい点があると思います。
失った心は、きっと取り戻せるはずです!
取り戻したいですよね!!
繁栄と引き換えに失った心(瀬戸内 寂聴)
二十世紀を振り返ると、目覚ましい科学の進歩をあげなければならない。
八十年近くも生き、大正、昭和、平成三代を見てきた私は、自分の生涯の中で、今ほど悪い時代はなかったように思う。
あの愚かな戦争の時代さえ、聖戦だと教え込まれ、洗脳されきっていた私たちは、奇妙に明るい空気の中にいた。
正義の戦争に勝たねばならないという意気に燃え、張り切っていた。
だまされた国民の愚かさをわらう前に、戦後半世紀たった今の日本の、信じられない復興と繁栄を前にして、それとひきかえに失ったものの大きさに茫然(ぼうぜん)としてしまう。
私の子供時代は、四国の田舎町には、電話のある家は少なく、ラジオは金持ちの家にしかなく、扇風機の廻る家も数えるほどであった。
しかし、井戸水はおいしく、かまどで炊いたご飯はおかずがいらないほど美味で、つつましい食事で成人病はほとんどなかった。
学校は楽しく、テレビもない代わり、家庭には団欒(だんらん)と笑い声があった。
先生は頼もしく、医者は親切で、僧侶は博学で清らかだった。
今世紀もあと一年という今、それらのよき思い出はすべて消え果ててしまった。
人は与えられた定命にさからい、何としても長生きしようとあがき、臓器移植術はすすみ、クローン人間まで生まれそうな気配である。
人間の限りなき欲望のため、自然は破壊され尽くされようとしている。
目前の便利と利欲のため、人間は魂まで売り渡すようになってきた。
このままで、人間は二十一世紀に生き続けられるだろうか。
日本は滅びへの道を回避できるのか。
見失い、あるいは捨てられたあたたかな心を、取り戻すことが出来るのか。
こういう危機感に切実に怯えるのは、年寄りのたわいない老婆心と、嘲笑(ちょうしょう)を買うだけのものであろうか。
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