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何でも雑記

この記事を是非読んで欲しいと思います!(4)

 リーダーの“英断”がいま求められている(4)

(3)からの続き

 

<見えないウイルス>

しかも今回の新型ウイルスは、以下のような特性を持ち、インフルエンザ以上に「厄介なウイルス」です。

 ①感染から発症までの潜伏期間が長く(確定ではないが14日間程度と見られている)、潜伏期間中にも感染力を持ち、感染しても無症状、軽症の例が多い。

発症の2日前からウイルスを外に出し、感染源となる可能性が指摘されている。

 

 ②体外でのウイルスの生存期間が長いと推定される(独ルール大学ボーフムとグライフスヴァルト大学の研究グループは、近縁ウイルスであるSARSとMERSについて調べ、病院のドアノブなどに付着したウイルスの生存期間は「最長9日間」と結論づけている。

一方、ドアノブなどに付いたインフルエンザウイルスの生存期間は、「最長1~2日間」)。

 

 ③インフルエンザと異なり、「抗ウイルス薬」も「ワクチン」もない。

 

「潜伏期間が長い」「潜伏期間中も感染」「感染しても無症状が多い」「体外での生存期間が長い」ということは、インフルエンザ以上に”見えない(うちに急速に流行する)ウイルス”だということです。

だからこそ、できるだけ“見えないウイルスを可視化(流行の現状を把握)”することが、対策の第一歩となります。

イベントの自粛や学校の臨時休校を要請するにも、本来であれば、エビデンス(「市中感染率」の現状や推移など)が必要です。ところが、「検査対象」が絞られて、その肝心のエビデンスがないのです。

 

(5)に続く

この記事を是非読んで欲しいと思います!(3)

リーダーの“英断”がいま求められている(3)

(2)からの続き

 

2月25日、政府は、新型肺炎に対する「基本方針」を発表し、安倍晋三首相は「今が流行を早期に終息させるために極めて重要な時期」と語り、前日の政府専門家会議も、「これから1~2週間が、急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」との見解を示しました。

そして2月26日には、安倍首相が「多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベントなどは大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は中止、延期、または規模縮小などの対応を要請することとします」と述べました。

これは、セントルイス市長のような「強制措置」ではなく、あくまで「自粛の要請」ですが、効果が出てほしいと願っています。

幸いにも、この安倍首相の発言を受けて、当日予定されていた有名アーティストのコンサートまで急遽中止され、各種スポーツ競技も、中止や延期されたり、無観客試合とする決定が次々となされました。

さらに27日には、安倍首相は、全国の小中学校・高校等に臨時休校を要請しました。

これを「過剰な自粛」と感じる方も多いでしょうが、大流行のピークが生じてしまうのか、流行の波がなだらかなものに収まるのか、いまが正念場なのです。

 

(4)に続く

この記事を是非読んで欲しいと思います!(2)

リーダーの“英断”がいま求められている(2)

(1)からの続き

 

まさにそうしたウイルスが、かつて人類を襲いました。

1918~1920年に世界で大流行した「スペインかぜ」です。

これは、当時の「新型インフルエンザ」で、世界人口が約20億人であったところ、5000万人以上もの死者を出しました。

ちなみに、スペイン・インフルエンザは、その後、通常のインフルエンザとして流行し、“ソ連型”とも呼ばれました。

2009年にメキシコから発生した「新型インフルエンザ」も同じ型です。

「スペインかぜ」の際に、当時の人々はこの型のウイルスを初めて経験したことになり、しかも病原性が強かったため、激甚な被害となったと考えられています。

 

<致死率2%でも甚大な被害>

歴史人口学者の速水融氏によると、日本での被害は、当時、人口約5500万人だったところ、「感染率42%」「死者45万人」にも達し、火葬場もパンク状態となりました。

速水氏はこう述べています。

「スペイン・インフルエンザは、多数の罹患者を出しながら、割合でいえば、罹患者のせいぜい2パーセント、人口の0.8パーセントという死亡率で、ペストやコレラのように罹患者の数10パーセントが死亡するような病気より『軽く』見られることとなった。

そのことは『スペイン風邪』という呼称によく示されていよう。

しかし『風邪』とは全く異なる恐ろしい病気なのである」

WHOは、「新型コロナウイルスの致死率は2%」と発表しましたが、スペイン・インフルエンザも「致死率2%」です。

感染症の流行は、一国内でも地域ごとに違った様相を呈しますが、地域の行政機関の対応次第で、被害に天と地ほどの違いが出てきます。

現在、中国における新型肺炎の致死率は、武漢だけが突出していますが、スペイン・インフルエンザの際にも大きな違いが見られました。

米国の都市セントルイスとフィラデルフィアの死者数の推移(1918年9月下旬から12月にかけて)を比較したグラフがあります。

 

この間、フィラデルフィアの死亡率が0.73%なのに対し、セントルイスは0.3%で、他の大都市と比較しても、最低水準に抑えられました。

これは、セントルイス市長のリスクも伴う英断によるものです。

セントルイスでは、市内に最初の死者が出ると、市長がただちに「緊急事態宣言」を出し、1週間以内に、全学校、劇場、教会、大型販売店、娯楽施設などを閉鎖し、葬儀を含む集会を禁止しました。

会議も、フットボールの試合も、結婚式もすべて延期されたのです。

当然、こうした「集会規制・行動規制」に対しては、商売に悪影響を及ぼすとして、市民や企業家から大きな反対がありました。

しかし、市長は、「私は市民が死亡することは望まない」として、みずからの“政治決断”で断行したわけです。

市中の発症率がまだ2.2%の早期に「集会規制・行動規制」を実施した結果、セントルイスでは、グラフが示すように、大流行のピークが生じず、患者発生数は平坦なカーブを描いて、医療サービスや社会機能の破綻も起こらず、最終的に犠牲者も少なくて済みました。

これに対して、社会活動への行政の介入が遅れたフィラデルフィアでは、市中発症率が10.8%となってから、ようやく「集会規制・行動規制」が開始され、その結果、8週間にわたって大流行の波が市民を襲い、凄惨な被害を出したのです。

このセントルイスの事例は、多くの教訓に満ちています。

 ①国の対策だけでなく、「地域での流行」に対する自治体の迅速で柔軟な対応が重要だということ。

 ②「集会規制・行動規制」は、初期対応のタイミングが重要だということ。

フィラデルフィアのケースでは、流行発生から3、4週間で急速に拡大しており、「集会規制・行動規制」も、遅きに失すれば何ら効果がない。

 

(3)に続く

この記事を是非読んで欲しいと思います!(1)

リーダーの“英断”がいま求められている(岡田晴恵)
3/14配信

 

<いま日本は、重大な岐路に立っています>

この数週間、場合によっては、この1~2週間で(本稿執筆時点=2月28日から見て)、対応を誤れば、新型コロナウイルスがあっという間に各地で大流行し、高齢者を中心に多くの犠牲者が出て、経済的にも大きな損失が生じる可能性があります。

なかでも医療現場が混乱し、流行や院内感染の拠点となり、医療のキャパシティーを超えるほど重症患者が発生し、他疾病患者の診療や治療も麻痺するといった“医療崩壊”すら生じる可能性があります。

大流行を避けるために残された時間はわずかです。

ここでは、過去の政府や行政の失策を云々するよりも、「眼前に迫っている危機に備えて、今からでもできること」に絞ってお話ししたいと思います。

 

「COVID-19」は、「新型=未知のウイルス」です。

“未知”である以上、今後を完璧に予測することは不可能です。

しかし、「ウイルスのメカニズム」や「類似した感染症の過去の事例」を踏まえれば、「今後起こりうる事態」「被害を最小限にするための対策」が見えてきます。

 

とはいえ、連日の報道に、「騒ぎすぎではないか?」と感じておられる方も多いのではないでしょうか。

春先は、卒業式、入学式、入社式など行事の多い季節で、スポーツの開幕時期でもあります。

そうしたイベント中止や観戦の制限が続くことに、「そこまでする必要があるのか?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

「一部に重症化する人がいるにしても、大部分の人は感染しても、無症状か、通常のインフルエンザ程度の軽症で済むというのに」と。

しかし、「若い人を中心に無症状か軽症で済む」と同時に「強い感染力を持つ」という特徴こそ、今回の新型ウイルスの一番怖ろしい点なのです。

「自分は若いから」「持病はないから」と感じている人が多いでしょうが、個人単位だけで見ても、このウイルスの本質は見えてきません。

一見“軽い病気”なのに、同時に大勢の人数が感染することで、社会の大混乱、とくに“医療崩壊”をもたらすかもしれない点にこそ、このウイルスの怖ろしさがあるからです。

 

(2)に続く  

明日19日に希望の持てる方向性が示されて欲しい!

明日19日に開かれる新型コロナウィルスに関する政府の専門家会議で、イベントなどの自粛要請の維持などについて判断が示される見通しです。

学校などの機関に対しても、何らかの指針が示されるのではないでしょうか。

明日以降の報道を、祈るような気持ちで待っています。

多分、皆さんも同じような気持ちだと思っています。