2025年3月の記事一覧
トランプ大統領のロシア経済制裁に「なんの意味もない」 「あくまでも建前」とバッサリ
デーブ・スペクター氏が9日、
ウクライナ情勢などをめぐって、
アメリカのトランプ大統領がロシア経済制裁や関税の導入を検討していることに対して
「なんの意味もない」
と苦言を呈した。
デーブは、
「今ごろ制裁するなら、ウクライナへの軍事支援と情報提供を続けたほうがいい。
なんの意味もないんですよ」
と批判。
理由としては、
「トランプ大統領がゼレンスキー大統領との会談の時に、たたきすぎて、
大ひんしゅくを買って、しかもプーチン大統領を擁護しすぎたから、その反発がある。
あくまでも経済制裁や関税の導入は建前」
だという。
さらに
「侵攻してから、アメリカはロシアとの貿易は90%も減っているんですよ。
だから、制裁や関税なんか、何の効果もないし、
金融関係もロシアがずっと前から中国にお金を移しているので、ナンセンス」
と状況を分析した。
そのうえで、デーブは
「そこまでやらないと、トランプ政権の信用回復にならないという単純な動き」
と強調。
「アメリカ国内で、ものすごくやゆされて、もう政権内で造反も出てきているから、やっているだけだと思う」
と解説した。
そして彼らの怒りは頂点に達した! ホワイトハウスの「大ゲンカ」を見たウクライナ国民の本音
ウクライナ側の意見は多様な民主主義国家の例に漏れず、一枚岩とは言い難い。
昨年12月に行われたキーウ国際社会学研究所の世論調査によると、
45%がトランプ大統領の誕生で平和が近づくと答えた一方、
31%がそのような平和はほとんど、あるいは全く不公正なものになると考えていた。
ウクライナ人は当初、トランプの再登場が何をもたらすかについて意見が割れていた。
だがトランプが交渉に乗り出すと、空気が一変。
独立系の調査機関レイティングによれば、
ウクライナが直接関与しない米ロの和平交渉は裏切り行為だという回答が91%に達した。
トランプはウクライナのゼレンスキー大統領に「独裁者」のレッテルを貼る一方で、
プーチンをそう呼ぶことを拒否。
ゼレンスキーを「そこそこ成功したコメディアン」呼ばわりし、
国連大使に命じてロシアの侵攻を非難する決議に反対票を投じさせた。
ネット上では、ロシアを支持する独裁国家とアメリカを並べて非難するウクライナ人の投稿が拡散。
そしてアメリカ史上最もシュールな大統領執務室のシーンが放映されたとき、
彼らの怒りは頂点に達した。
ゼレンスキーに、ひれ伏して助けを乞わせようとしたバンス副大統領への嫌悪感と、
自分たちの大統領が「いじめっ子」に屈しなかったことへの誇り。
ある投稿にはそんな気持ちが表現されていた。
「トランプとバンスには品位がない。
私たちにはある。
トランプとバンスには良心がない。
私たちにはある。
トランプとバンスには敬意も思いやりも礼儀も気高さも良識がないが、
私たちにはたくさんある。
彼らには勇気さえないから、このシーンで私たちを辱めようとした」
あるウクライナの友人は私にこんなメールを送ってきた。
「祖国防衛のために我が軍を奮い立たせたければ、
私たちを辱めようとするこの卑劣な試みを見せるといい」
トランプ政権、ウクライナ避難民の在留資格取り消し計画
複数の関係筋によると、トランプ米政権は、
ロシアとの紛争から逃れたウクライナ人約24万人の一時的な在留資格を取り消すことを計画している。
米国に避難したウクライナ人が迅速な強制送還手続きの対象となる可能性がある。
早ければ4月にも実施する。
ウクライナ人を保護するバイデン前政権の政策を大きく転換することになる。
トランプ氏は6日、
記者団からウクライナ人の在留資格の取り消しについて問われた際、
「われわれは誰かを傷つけようとしているわけではないし、彼らを傷つけようとしているわけでもない」
と説明。
「それが適切だと考える人もいれば、そうでない人もいる。近いうちに決定を下すつもりだ」
と語った。
バイデン前政権が進めた人道的な一時入国許可制度で入国を認められた移民180万人以上の在留資格を取り消すトランプ政権の取り組みの一環という。
<白鳥 浩 法政大学大学院教授/現代政治分析>
不法移民とウクライナの避難民を同列に扱うことは許されない。
これは人権の問題であり、これまで世界が堅持してきた「法の支配」を自らアメリカが破るというものだ。
ウクライナの避難民は、生命の危機に陥って、自らの命を守るために、やむをえず、緊急避難的に海外へと避難している。
それだけを見ても、人権の問題であることは明らかだ。
これら避難民は、ヨーロッパはもちろん、日本も人道主義の観点から受け入れている。
この議論に日本は反対する必要がある。
米、ウクライナへの機密情報提供を停止
米中央情報局(CIA)のラトクリフ長官は5日、
ロシアと戦っているウクライナへの機密情報の提供を停止していることを明らかにした。
機密情報提供の停止に先駆けてトランプ政権は、
ウクライナに圧力をかけようと同国への軍事支援も停止している。
米国がこの3年間ウクライナに提供してきた情報に詳しい複数の関係者によると、
情報の提供が完全に止まればウクライナの戦闘能力が著しくそがれる可能性があるという。
関係者の1人は
「軍事支援と対外支援の停止と相まって、和平交渉を経る必要なくロシアの勝利がかなり確実なものになる」
との懸念を示した。
<コメントより引用させていただきます>
・国家的な脅迫行為!
こんな事が現実になるとは思いもよらなかった。
弱者に対して後ろから鉄砲を撃っているようなものだ。
世界中がアメリカに対する考えを改めなければならない。
合衆国の国民が早く目を覚ますことを願う。
・アメリカは、ハイマースに限らず機密情報の全てを止めました。
CIA長官が言っています。
つまりウクライナの目と耳をふさいだようなものです。
ウクライナは前線近くの物資集積所などの情報が得られず、ロシアが有利になります。
マクロンやスターマーの同伴で再訪米しても、この流れでしょう。
ゼレンスキー氏、手負いながらも断固として 離英直前に英記者団と
「手負いながらもやる気はある」
ゼレンスキー大統領に随行していた政府関係者の一人は、自分たちの思いをこう表現した。
ロンドン近郊にあるスタンステッド空港でのことだ。
イギリス政府はウクライナの大統領を精一杯「華々しく」歓待した。
その直前の2月28日にゼレンスキー氏は、
トランプ大統領とヴァンス副大統領から厳しく叱責されたばかりだっただけに。
スターマー英首相は官邸の外までゼレンスキー氏を出迎えて、抱きしめて歓迎した。
官邸のあるロンドン・ダウニング街までの沿道では、大勢がゼレンスキー氏に歓声を浴びせた。
そして、チャールズ英国王はゼレンスキー氏とお茶を共にした。
しかし、ゼレンスキー大統領は帰国の途につく90分前に、
世界に向けて自分の言葉で自分の意見を語る必要性を感じていた。
しかも、今度は誤解されないようにウクライナ語だけを使って。
これは、いろいろなことがうかがえる展開だった。
ホワイトハウスで激しく攻撃された後、イギリスでは温かく歓待された。
その大統領は、少なくとも世間に向かっては、決して落ち込んでいなかった。
「私たちが元気でいなければ、全員を裏切って失望させてしまう」
と、大統領は言った。
和平案について、
スターマー首相とエマニュエル・マクロン仏大統領がアメリカに見せる前に主導権を握ろうとしているという報道や、
欧州が独自に前より信頼できる安全の保証策を策定し、前より積極的に対応しようとしていることについて、
ゼレンスキー氏は好感を持っている様子だった。
ゼレンスキー氏は私に、トランプ大統領の要求の一つに応じる用意があると話した。
ウクライナの鉱物資源の一部をアメリカが利用できるようにする、鉱物資源協定の署名に応じる用意があるというのだ。
ただし、3年間の戦争によるあらゆる圧力にもかかわらず、
ホワイトハウスからのあらゆる要求にもかかわらず、
2日夜のゼレンスキー氏は決然として揺るぎなかった。
公平かどうかはともかく、ホワイトハウスにはウクライナを守るか見捨てるかの決定権があるのだが。
ロシアの占領地域をウクライナが諦めるべきかなど、現時点で話題にするのは間違っていると、ゼレンスキー氏は私たちに伝えた。
そして、スターマー首相が言及した「譲れない一線」について話すのも、まだ時期尚早だと述べた。
トランプ大統領に謝罪したり、ホワイトハウス大統領執務室での出来事に後悔の念を表したり、
そういったことをゼレンスキー氏はしなかった。
トランプ陣営は今のところ、その両方をウクライナの大統領に繰り返し要求しているのだが。
NATOの事務総長でさえ、アメリカのトップとの関係修復をゼレンスキー氏に呼びかけた。
しかし、スタンステッド空港の息苦しく狭い部屋でゼレンスキー氏は、
とても誰かに愛想を振りまきそうには見えなかった。
そういうことに関心がありそうな口ぶりではなかった。
自分は何時間もかけてホワイトハウスへ向かったのだと、ゼレンスキー氏は言った。
それは、自分の敬意の表れだと。
また、
自分は「誰かを侮辱する」ようなまねは決してしないし、
ホワイトハウスでのやりとりがあのような衝突になってしまったことは、誰のためにもならないと述べた。
英記者団に囲まれ、ゼレンスキー氏は使う言葉をとても慎重に選んだ。
ホワイトハウスで何が起きたのか、事後検証をある程度は避けようとした。
トランプ氏について失礼なことは言わなかったし、それどころかその名前をほとんど出さなかった。
そして、緊張はいずれ過ぎ去るという考えを示した。
大統領執務室でのあの恐ろしい事態を見た人なら、
自分は謝るべき立場にないとゼレンスキー氏が感じたとしても、責める気にはなれないかもしれない。
自分の国にどれほどのことが起きたのか、ゼレンスキー氏が語るのを聞けば、
戦争終結には一定の譲歩が必要かもしれないと現時点で認めるなど、
まったく無理すぎると彼がなぜ感じているのか、理解できるはずだ。
自分の国に解き放たれた暴力と苦しみについて、ゼレンスキー氏が語るのを目の前で見ていると、
彼が途方に暮れているのが伝わる。
彼は、世界を自分と同じように見ない人がいるなど、まったく信じられないと、
途方に暮れているのだ。
彼の目を通して見える世界では、
侵略者ロシアのプーチンが罰を免れるなどあり得ないし、
どのような対価を払ってでも、ウクライナの国民を何としても守らなくてはならないのだ。
しかし、果たして現実はどうか。
そのような明確な倫理性でこの戦争を受け止めるよう、
まだゼレンスキー氏も西側首脳の誰も、トランプ氏を説得できていない。
そして、たとえつらいことだったとしても、
妥協する用意がなければ、この戦争をどう終わらせるのか、行く末はなかなか見えてこない。
しかし、ゼレンスキー氏はコミュニケーションの達人だ。
紛れもなく本当に。
「我々の自由と価値観は、売り物ではない」
ゼレンスキー氏はこう言い、決して降伏しないというメッセージを伝えようとした。
鉱物資源協定に署名する意向を示すと同時に。
彼はあらためて、アメリカやその他の国々の支援に感謝した。
ただし、今の段階で忘れてならないことがある。
何かと言うと、
各国首脳が公の場に登場するよりはるかに頻繁に、首脳やスタッフの接触は舞台裏でしきりに続いているのだ。
私たちの囲み取材が終わりに近づいたころ、
英仏首脳が独自の和平案の一環として1カ月間の停戦を提案しているという話が、私の携帯電話に届いた。
ゼレンスキー大統領はそのような取引を知っているのか。
同意するつもりがあるのか。
私は質問した。
「すべてを承知していますよ」
と大統領は冗談のような口ぶりで答え、その場にいた人たちを笑わせた。
次々と握手を交わし、一緒に写真を撮り、そして飛行機へと向かった。
劇的で厳しい週末は、自分の言葉で締めくくりたかったのかもしれない。
しかし、この紛争についての話し合いは、これからさらに何週間も何カ月も続くはずだ。
ローラ・クンスバーグ BBC番組「サンデー・ウィズ・ローラ・クンスバーグ」司会
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