理科のこと何でも

理科のこと、環境ニュース

抗菌シート・ワサオーロ

 職場でお弁当が出る日が1年に数回あるんですが、ある日のお弁当を開けてみると、何やら文字の書いてあるプラスチック製フィルムが蓋のように置いてありました。

この写真の背景はグレーですが、薄い透明なシートに白字で印刷がしてありました。

ワサオーロ?

「ーロ」の所は読み方があるのでしょうか?

この5文字で登録商標(TM)になっているようですから、何か意味が込められているんだと思います。

ネット上で調べてみたら、次のようなことが書いてありました。

天然素材を使った抗菌シートなんですね!

 

 三菱ケミカルフーズ株式会社は、食品向け抗菌・鮮度保持シート『ワサオーロ』を開発しました。

ワサオーロは、ワサビやカラシの辛味主成分であるアリルカラシ油(アリルイソチオシアネート)を主剤とした抗菌・鮮度保持シートです。

消費期限の短いお弁当やお持ち帰り食品の品質保持適しています。

菌やカビ・酵母の増殖を抑える特性があり、食品にシートをかぶせて蓋をすることで、速やかに抗菌効果を発揮します。

グレタさん痛烈批判「各国が掲げるのは架空の目標」

 スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんは、世界のリーダーが参加するオンラインの会合で、各国の気候変動問題への取り組みについて「架空の目標」を掲げていると痛烈に批判しました。

 

「世界中のリーダーは気候の緊急事態といいますが、危機の中、すぐに行動する代わりに、彼らは漠然として不十分で架空の目標を掲げています」

 世界の政財界のリーダーが参加する「ダボス会議」の主催者がオンラインで開いた会合で、グレタさんは日本を含め各国が掲げる2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標について、「漠然として不十分で架空」だと指摘。

「夜中、家が燃えているのに、10年、20年、30年後に消防署に電話するようなものだ」と厳しく批判しました。

 さらに「国民の意識が低いために、リーダーたちはほとんど何からも逃げることが出来る」として、この問題に関心を持つよう広く呼びかけています。

カーボンリサイクルで二酸化炭素を燃料に?!

 「カーボンリサイクル」と聞けば、炭素の再利用だろうと考えます。

人間が利用しているエネルギーの大部分は、石油などの化石燃料を燃やすことで得ています。

「カーボンリサイクル」とは、その結果で生じる二酸化炭素を再利用する技術ですね。

そのリサイクルのうち、「プラスチックのような炭素化合物の原料に二酸化炭素を使う」といったようなことは可能なんだろうなと思います。

ところが、「エネルギーを放出して出来た二酸化炭素を燃料に利用する」と聞けば、ちょっと信じられない驚きを感じます!

でも良く考えてみれば、植物にはそれが出来ているんですよね!

光合成による炭酸同化作用です。

二酸化炭素と水から、酸素と炭水化物を生産している訳ですが、光エネルギーを得ながらこの反応を起こしています。

この結果、生じた炭水化物は光からのエネルギーを蓄えたもの、つまり燃料として利用できるものとして出来上がっている訳です!

人工的にこの光合成を真似することが未だに出来ない訳ですが、このような反応が他にもあるのではないだろうか・・・

 

 地球温暖化の原因になっているといわれるCO2の排出量を減らすことは、今やグローバルな課題になっています。

エネルギー分野においては、CO2排出量の少ないエネルギー資源への転換をはかること、省エネルギーに努めることなどが大切です。

加えて、CO2を分離・回収して地中に貯留する「CCS」、分離・回収したCO2を利用する「CCU」も、大気中のCO2を削減するための重要な手法として研究が進められています。

このようなCO2の利用をさらに促進するべく、研究開発をイノベーションにより進めようという取り組みが、「カーボンリサイクル」です。

 CCUでこれまで一般的だったのは、「EOR(原油増進回収技術)」と呼ばれる手法への利用です。

たとえば、油田にある原油をできるだけ回収するためには、水などを、圧力をかけて注入し、岩石の小さな穴などに溜まっている原油を押し流します。この時、水の代わりに炭酸ガスを圧入するのが、CO2を使ったEORです。

もうひとつ、現在一般的なCO2の利用先としては、ドライアイスや溶接などに直接利用する方法があります。

しかし、こうした方法だけでは、利用されるCO2の量は限られてしまいます。

そこで、CO2を“資源”ととらえ、素材や燃料に再利用することで大気中へのCO2排出を抑制する、そのために世界の産学官連携のもとで研究開発をおこないイノベーションを進めていこうとする取り組みが、経済産業省が提唱する「カーボンリサイクル」です。

 

 CO2の利用先としては、①化学品、②燃料、③鉱物、④その他が想定されています。

①化学品では、具体的には、ウレタンや、プラスチックの一種でCDなどにも使われるポリカーボネートといった「含酸素化合物」が考えられています。

また、バイオマス由来の化学品や、汎用的な物質であるポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂も利用先となりえます。

②燃料では、光合成をおこなう小さな生き物「微細藻類」を使ったバイオ燃料や、バイオマス由来のバイオ燃料がCO2の利用先として考えられています。

③鉱物では、「コンクリート製品」や「コンクリート構造物」が考えられています。

具体的には、コンクリート製品などを製造する際に、その内部にCO2を吸収させるものなどです。

④その他として、バイオマス燃料とCCSを組み合わせる「BECCS」、海の海藻や海草がCO2を取り入れることで海域にCO2が貯留する「ブルーカーボン」などが考えられています。

これらは総称して「ネガティブ・エミッション」と呼ばれます。

新型コロナウィルス等の殺菌用LEDを開発、量産へ

 発光ダイオ―ド(LED)製造大手の日亜化学工業は、LEDで紫外線を照射して新型コロナウイルスを不活化して殺菌にも利用できる装置を開発したと発表した。

 

 空気清浄機やエアコンなど家電の内部に取り付けたり、紙類などの消毒に活用できたりする可能性がある。

ただし、人体への影響を考慮すると、肌に直接照射することは困難という。

二酸化炭素は「無毒」と教わりますが、実は怖い中毒も!

 昨日12月22日午前、名古屋市のホテル地下駐車場で、充満した煙を吸うなどして、作業員と周辺の方11人が病院に搬送され、このうち50代の男性作業員が死亡しました。

二酸化炭素を発生させる消火設備が作動し、煙が充満したとみられています。

この消火設備は二酸化炭素を注入することで酸素の濃度を16%以下にし火を消す仕組みです。

 二酸化炭素の消火設備は、スプリンクラーで水をかけられない、主にコンピューターなど電気設備のある場所で使われていて、火災報知機と連動して自動で動くものもあるといいます。

一方、二酸化炭素は人体に悪影響を及ぼす可能性があるため、最近は窒素などで代用されることが多いといいます。

 

 この事件では、不幸なことに犠牲になられた方が出てしまいました。

そして、この報道中にもある「酸欠とは別の二酸化炭素の有害性」について、過去の事故を思い出したので記しておこうと思います。

 

 1997年7月12日夜、青森県八甲田山のくぼ地で、訓練中の自衛隊員3人が死亡する事故が起きた。

死因は、火山性の二酸化炭素ガスと見られている。

コーラやビールの気泡やドライアイスなど、身近な存在でもある二酸化炭素。

実は、人間や動物をあっという間に倒す怖い一面を持っている。

しかし、毒性の仕組みはまだ良く分かっていない。

 

 どんな条件の時、二酸化炭素の中毒は起きるのか。

事故の翌日、現地のガス成分を調べた報告書によると、くぼ地での二酸化炭素濃度は15~20%だった。

大気中の二酸化炭素濃度は約0.03%なので、このくぼ地では、通常の約500倍もの濃度があったことになる。

 二酸化炭素が原因だとすると、自衛隊員らが倒れたのは酸素が欠乏したせいか?

れとも高濃度の二酸化炭素そのもののせいだろうか?

 命にかかわる酸素欠乏は、空気中の酸素濃度が12%を下回った時と言われている。

二酸化炭素濃度が20%の時の酸素濃度は16.7%で、致命的な酸欠状態とは言えない。

一方、一般的に二酸化炭素を30分間吸い続けても後遺症がない「脱出限界濃度」は5%とされている。

10%の二酸化炭素を吸うと、耳鳴りやふるえが起き、1分間で意識を失う。

30%になると、即座に意識不明の状態になる。

酸素20%、二酸化炭素80%の気体を犬に吸わせたら、1分で呼吸が止まり、数分で死亡したという報告があるという。

この実験は、大気と同じ濃度の酸素(大気の酸素濃度は約20%)があっても、二酸化炭素が一定量以上あれば、中毒を起こすことを示している。

 1986年8月、西アフリカ・カメルーンでは、湖から火山性の二酸化炭素ガスが大量に噴出、湖の近くで、村人約1200人のほぼ全員が死亡する事故が起きている。

 火山性ガス以外では、車でドライアイス運搬中にドライアイスが気化して中毒を起こした例や、二酸化炭素消火装置による例などがある。

ドライアイス2キログラムは、室温だと1時間で約350グラムが気化して約200リットルの二酸化炭素になる。

車内空間が約2立方メートルの軽自動車の場合、濃度は約10%になり、密室状態にしておくと中毒を起こす条件になる。

ドライアイス販売会社は「車で持ち帰るお客さんには、窓を開けて運転するよう呼びかけています」と言う。

 二酸化炭素ガスにすばやく意識を奪う作用があることは、18世紀にはすでに分かっていたが、なぜそのような効果があるのか、仕組みはいまだに解明されていない。

大阪大学医学部麻酔学の吉矢生人教授は「二酸化炭素ガス以外にも、笑気ガスやエーテルなど麻酔効果を持つ気体はいろいろありますが、肺から吸入して脳に作用するメカニズムは、どれもわかっていません」という。

 

<呼吸や飲み物、また人工呼吸での二酸化炭素の心配は?> 

 人間は、呼吸で酸素を取り込み、二酸化炭素を放出している。

呼気中に含まれる二酸化炭素は約4%なので、口移しで空気を送り込む人工呼吸では、二酸化炭素中毒を起こす心配はない。

 炭酸飲料やビールの泡に含まれる二酸化炭素は、肺でなく胃に入る。

胃酸で気体になり、ゲップとして排出されるので、こちらも中毒の心配はない。

 

(注)大学入試「化学」の中での知識では

二酸化炭素は常温では気体で、その性質は、

「無色」「無臭」「無毒」「水に少し溶ける」です。