カーボンリサイクルで二酸化炭素を燃料に?!
「カーボンリサイクル」と聞けば、炭素の再利用だろうと考えます。
人間が利用しているエネルギーの大部分は、石油などの化石燃料を燃やすことで得ています。
「カーボンリサイクル」とは、その結果で生じる二酸化炭素を再利用する技術ですね。
そのリサイクルのうち、「プラスチックのような炭素化合物の原料に二酸化炭素を使う」といったようなことは可能なんだろうなと思います。
ところが、「エネルギーを放出して出来た二酸化炭素を燃料に利用する」と聞けば、ちょっと信じられない驚きを感じます!
でも良く考えてみれば、植物にはそれが出来ているんですよね!
光合成による炭酸同化作用です。
二酸化炭素と水から、酸素と炭水化物を生産している訳ですが、光エネルギーを得ながらこの反応を起こしています。
この結果、生じた炭水化物は光からのエネルギーを蓄えたもの、つまり燃料として利用できるものとして出来上がっている訳です!
人工的にこの光合成を真似することが未だに出来ない訳ですが、このような反応が他にもあるのではないだろうか・・・
地球温暖化の原因になっているといわれるCO2の排出量を減らすことは、今やグローバルな課題になっています。
エネルギー分野においては、CO2排出量の少ないエネルギー資源への転換をはかること、省エネルギーに努めることなどが大切です。
加えて、CO2を分離・回収して地中に貯留する「CCS」、分離・回収したCO2を利用する「CCU」も、大気中のCO2を削減するための重要な手法として研究が進められています。
このようなCO2の利用をさらに促進するべく、研究開発をイノベーションにより進めようという取り組みが、「カーボンリサイクル」です。
CCUでこれまで一般的だったのは、「EOR(原油増進回収技術)」と呼ばれる手法への利用です。
たとえば、油田にある原油をできるだけ回収するためには、水などを、圧力をかけて注入し、岩石の小さな穴などに溜まっている原油を押し流します。この時、水の代わりに炭酸ガスを圧入するのが、CO2を使ったEORです。
もうひとつ、現在一般的なCO2の利用先としては、ドライアイスや溶接などに直接利用する方法があります。
しかし、こうした方法だけでは、利用されるCO2の量は限られてしまいます。
そこで、CO2を“資源”ととらえ、素材や燃料に再利用することで大気中へのCO2排出を抑制する、そのために世界の産学官連携のもとで研究開発をおこないイノベーションを進めていこうとする取り組みが、経済産業省が提唱する「カーボンリサイクル」です。
CO2の利用先としては、①化学品、②燃料、③鉱物、④その他が想定されています。
①化学品では、具体的には、ウレタンや、プラスチックの一種でCDなどにも使われるポリカーボネートといった「含酸素化合物」が考えられています。
また、バイオマス由来の化学品や、汎用的な物質であるポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂も利用先となりえます。
②燃料では、光合成をおこなう小さな生き物「微細藻類」を使ったバイオ燃料や、バイオマス由来のバイオ燃料がCO2の利用先として考えられています。
③鉱物では、「コンクリート製品」や「コンクリート構造物」が考えられています。
具体的には、コンクリート製品などを製造する際に、その内部にCO2を吸収させるものなどです。
④その他として、バイオマス燃料とCCSを組み合わせる「BECCS」、海の海藻や海草がCO2を取り入れることで海域にCO2が貯留する「ブルーカーボン」などが考えられています。
これらは総称して「ネガティブ・エミッション」と呼ばれます。
このウェブサイトは、
NetCommons3.3.7で動いています。
NetCommons プロジェクト 開発の、
CMS+グループウェアです!
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
27 1 | 28 1 | 29   | 30   | 31   | 1   | 2   |
3   | 4   | 5   | 6   | 7   | 8   | 9   |
10   | 11   | 12   | 13   | 14   | 15   | 16   |
17   | 18   | 19   | 20   | 21   | 22   | 23   |
24   | 25   | 26   | 27   | 28   | 29   | 30   |