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なかなか上手でしょう? 空気砲の演示!!

 生徒たちが自分たちだけで作り上げた「空気砲」です!

これまでは、結果が良く分からないものばかりでした。

今回のは期待を上回る出来で、ビックリ!!

 

 

今回の空気砲の特徴ですが、

 ① 箱本体が大きい

 1辺が90センチほどの立方体の箱になってる

 ② 本体はいつもの段ボールじゃない

 プラ段つまりプラスチックダンボール製

 

この空気砲本体のプラ段は、ホームセンターで1畳サイズのプラ段を半分サイズにカットしたものです。

これを1人で抱えて持ってきたとのこと。

この90センチ平方のプラ段6個を、養生テープでしっかりと貼り合わせて箱に作ってあります。

空気を噴出させる穴はコンパス型のカッターでキレイに開けてあります。

この箱に煙を貯めて、箱の1つの面を叩くと、穴からドーナツ状の煙が飛び出してきます。

今回の様子を良く見てみると、

プラ段は紙の段ボールよりかなり大きくしなるので、一気に大量の空気を穴から押し出せるんですね!

しかも箱を大きい体積で作ってあることも大量の空気を押し出せる要因になっているんです。

色んなものを参考にしながら、自力で考えて仕上げたとのこと。

すごく感心しました!!

 

★空気砲について

 段ボールの箱を両手でたたくと、

勢いよく飛び出した煙はドーナツ状のかたまりとなって飛んでいく。

そのスピードと、身体に当たったときの意外に大きい衝撃に驚くこと間違いなし!

風に吹かれるのとは違う、空気の弾丸があたった感じ。

空気中を空気がかたまりとなって飛ぶ、そんなことがどうして起きるのでしょうか?

空気は、「流体」の一種で、一定の形を取らず自由に変形する。

その流体に特徴的な現象が「渦」。

空気のかたまりの正体は、空気の渦、しかも渦の管がドーナツ状に閉じたもので、

自然界ではめったに目にすることのない「渦輪」なのです。

流体要素の角運動保存則から、いったんできた渦はなかなか消滅しないんですね!

それで、このような印象的な演示を見ることが出来るのです。

揮発性物質の分子量測定 誤差の原因

 気体の状態方程式の勉強のあとに、物質の分子量測定という項目が出てきます。

その中で、液体物質の分子量を測定する実験があります。

液体物質を加熱して蒸発させて気体とし、気体となった物質の、質量、温度、圧力を測定します。

この測定値を状態方程式に代入して計算すると、分子量が求められます!

実験装置は以下のようです。

 

 

この実験をヘキサンC14について、何回かやってみました。

 

下の写真のようにフラスコの底に液体が確認出来ます。

この状態を目視するのがかなり大変です。

蒸発し切ったかどうかの確認が難しいんです

液体が全て蒸発してから2分ほど温度を変えずに加熱を続けます。

この時の加熱時間は長すぎてもいけません。

 

下の写真では、液体が蒸発してフラスコ上部で再び液化してフラスコ下部に戻る「還流」が確認出来ますが、

この還流も起こらなくなるまで加熱を続けます。

 

さて、何回か行った実験の全ての回で、実験値が理論値に対して10~15%ほど小さく出てしまいました。

誤差の原因を何度も考えてみましたが、最もそれらしいと思えたのは、

気体となった物質を捕集する時の失敗です。

① 加熱時間が長すぎた

② 加熱時に一時的に温度が上がり過ぎ、その後温度が下がった

③ アルミ箔のフタの密閉性が悪く、気体が逃げた

これらのいずれもが、気体がフラスコの外に逃げてしまい、気体の測定質量が小さくなってしまう原因になります。

この状態で以下のように計算すると、求まる分子量の値は小さくなってしまいます。

 

 

気温が板書してありますが、計算式中で使う温度はフラスコを温める湯の温度(絶対温度)を用います。

フラスコ内部の温度を測るのが理想ですが、出来るだけフラスコの密閉性を保ちたいので難しいでしょう。

今と昔でちがう「理科の学習」びっくりランキング

第1位:アルコールランプは使用しなくなった

 アルコールランプは、理科の授業では見る機会が減っています。

より扱いやすく安全な、カセットガスコンロを使うようになっているようです。

 

第2位:カエルの解剖の代わりにイカの解剖をするようになった

 現在では、準備や後片づけに手間がかかることや、動物愛護の観点から解剖は行わないことが多いそうです。

しかし、2010年代の教科書に「無脊椎動物」の項目が復活した影響で「イカの解剖」をすることも増えているそうです。

 

第3位:冥王星が惑星から外れた

 太陽系の惑星の覚え文句といえば、「水・金・地・火・木・土・天・海・冥」と習った人も多いかもしれません。

しかし、現在の太陽系の惑星は「海」まで。

2006年から冥王星は惑星の仲間から外されています。

国際会議で「太陽の周りを回っていること」「重力が強く丸い形をしていること」「周りに同じような天体が存在しないこと」などの定義が決まり、冥王星はこれを満たさなかったそうです。

そこで現在の教科書では、冥王星は太陽系の外側を回る「太陽系外縁天体」として扱われています。

 

第4位:富士山は活火山の扱いになった

 日本最高峰の富士山。

現在は徐々に活火山としての認知が広まってきていますが、昔の教科書では「休火山」と記されていました。

活火山の扱いに変わったのは、2003年に活火山の定義が変更されたから。

2003年以前の活火山の定義は「活発な噴火活動があり、過去およそ2000年以内に噴火した火山」。

それに対して、2003年以降は「おおむね過去1万年以内に噴火した火山」とされました。

 

第5位:優性・劣性遺伝は顕性・潜性に言い換えている

 メンデルがエンドウの実験から発見した遺伝の法則。

優性遺伝・劣性遺伝という用語も習いましたね。

ところが近年の教科書では、この用語が「顕性遺伝・潜性遺伝」と言い換えられているそうです。

理由は、遺伝子に優劣があるという誤解を与えないためなのだそうです。

 

第6位:SDGsの項目が追加された

 SDGs(エス・ディー・ジーズ)は、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。

令和3年に主要5教科すべての教科書に、SDGsの項目が追加されました。

 

第7位:哺乳類までの進化の過程の認識が変わった

 両生類から分かれた哺乳類と爬虫類がそれぞれ進化し、爬虫類から進化したのが鳥類という説が有力になったため。

「哺乳類のルーツは両生類」が新常識となりました。

 

 第8位:「化合」という語句を使わなくなった

 化学変化の表現の正確性に欠けるとされ、ほとんど使わなくなりました。

 

第9位:「希ガス」から「貴ガス」表記になった

 平成28年版教科書から、国際的にも一般的な呼び方とされる「貴ガス」の表記に変更されました。

 

 

 

第10位:「ダニエル電池」が登場した

 令和3年度より、化学の電池の内容が一新されました。

衝撃! 「H3」1号機打ち上げ失敗

 

 日本の新たな主力ロケット「H3」1号機が

7日午前10時37分頃、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられたが、

第2段エンジンの着火が確認されず、

JAXAは約15分後、地上から指令破壊の信号を機体に送った。

打ち上げは失敗となった。

文部科学省は同日、原因究明のための対策本部を設置する。

 

 現在の主力ロケット「H2A」の後継機となるH3は

低コスト化や打ち上げ能力の増強で世界の衛星打ち上げ市場に参画することが期待されていたが、

政府やJAXAには大きな打撃となる。


 1号機は先月17日に打ち上げ直前に中止するトラブルに見舞われ、

再び打ち上げに臨んでいた。

前回は第1段の主エンジン着火後に異常を検知し、補助ロケットが着火しなかった。

原因調査の結果、電気的ノイズの影響で第1段の制御システムで誤動作が起きたことが判明。

ノイズを抑える対策を完了させたとしていた。

 

 H3は、JAXAと三菱重工業などが14年から開発を進めてきた。

これまでの開発費は約2060億円に上る。

1号機には、災害時の被害状況把握などを行う政府の地球観測衛星「だいち3号」が搭載されており、

防災面などへの影響も必至だ。

 

 三菱重工の元技師長で東京理科大の小笠原宏教授は

「第2段エンジンはH2Aとほぼ同じものを継承して使っており、ほとんど変えておらず、H2Aではこのようなトラブルはなかった。

なぜこのようなことになったのか全く分からない」

と困惑した様子で話した。

昨夜の月食はハッキリと見えたのでは?

 11月8日夜の月食は、多くの地点でハッキリと見えたようですね。

ここ埼玉県入間市でもバッチリでした!

自分は、職場の屋上から見ていたんですが、

部分月食から皆既月食に移るところまでを見て、

その後急いで帰宅し、皆既月食の最大(最も暗くなるところ)を確認することが出来ました。

そして最後に部分月食の終わりの方を見たんです。

写真はスマホで撮ったんですが、やはり上手く写りません・・・

一応、載せてみますね。

 

<19時14分:部分食から皆既食に移るところ>

 

<19時16分:皆既食の始まり>

 

<19時45分:皆既食の最大付近>

 

<21時36分:部分食の終わり近く>

 

 

すみません。

差がほとんど分からないですね・・・

ネット上、Youtube等でキレイな画像がupされるはずですので、そちらを観て下さい。

天王星食についても、そこで確認出来ると思います。

今夜は皆既月食、天王星食が同時に! 442年ぶりの天体ショー!

 皆既月食は、月全体が地球の影に入り、

赤黒く変色した月が見られる天体現象。  

 

今日は、午後6時9分に部分月食が始まり、

皆既月食の始まりは午後7時16分、

食の最大は午後7時59分で、

午後8時42分に皆既月食の終わりとなる。  

 

今回は、多くの地域で月の高度がある程度高くなる時間帯に皆既食となるため、

観察しやすいといえそうだ。

 さらに今回は月食の最中、月に天王星が隠される「天王星食」も起こる。  

皆既食中に天王星食が起こるのは非常に珍しく、

442年ぶりの貴重な天体ショーとなる。

(天王星は約6等級で、薄い青色に見えます。

条件が良くても肉眼で見える限界の明るさなので、双眼鏡や望遠鏡などで探してみましょう)

 

織田信長が観ていたかもしれないという観測が、今日出来るかも!

 (気象予報士・多胡安那)

気体から固体への状態変化は「凝華」と呼ぶことに!

 固体・液体・気体の三態間で状態変化する時の呼び方ですが、

つい最近までは、次のようでした。

ここで、固体から気体、気体から固体、どちらの変化も「昇華」と呼ぶようになってしまったのは、

固体物質を精製する方法としての「いったん蒸気にしてふたたび固体にする」

ということをさしたことから来たものだと推測されています。

 

ですから、ここの2か所の変化の呼び方を別にするという改善をすべきだったんですね。

「昇華」という字は、固体から気体への変化にはあてられて良さそうです。

そこで、気体から固体への変化の呼び方を別に考えることになりました。

中国語では、気体から固体への変化をさす「凝華」という言い方があって、

最近は中国でも台湾でもこれを教えるようになっているそうです。

ということで、日本語でも「凝華」を使うことが提案されていました。。

そして、日本の高校でも2022年度から、

気体から固体への変化は「凝華」

と学ぶことになったのです!

大気圧で缶を潰す実験を手軽に

 大気圧の大きさは、常圧で1013ヘクトパスカルと教わったと思います。

この大きさをおおよその値で分かりやすく言い替えると、

「1cmあたり1kg重の力」

又は、

「1辺10cmの正方形の面に100kgの重さ」

となります。

これでだいたい実感できるのではないでしょうか?

幅1m長さ2mのドアに20トンの力ですから、驚くほどの大きさです!

この大気圧の力を実感できる実験を手軽に出来ないでしょうか?

栓のついたアルミ缶を使うと簡単です!

 

 

この空き缶に水を入れて、しばらく沸騰させます。(フタは取って!)

缶の座りが悪いので、キッチンのコンロにまず網を置いてその上で加熱するといいでしょう。

軍手を両手にはめておきましょう。

火を止めたら、缶にしっかりとフタをして下さい。

火傷に充分気を付けて!

あとは、缶が冷えると変化が観察できますが、水をかけても、あおいで風を吹き付けてもいいでしょう。

自然に冷えるのを待ってもいいです。

 

 

これ以上缶が潰れないのは、缶が潰れる時に出来るしわが穴になってしまうからなんです。

この穴から外気が入り込んできてしまって、減圧状態が保てないんです。

穴さえ開かなければ、缶はもっとペチャンコになるはずなんですね!

16日の地震 東日本大震災と別タイプ

 3月16日深夜に福島県沖で発生した最大震度6強の地震は、

東北地方太平洋沖の日本海溝で、

日本列島を乗せた陸側のプレートの下に沈み込む太平洋プレートの内部が震源で、

東日本大震災とは別タイプだった。

気象庁によると、海側から押され続けることで同プレートに歪みが蓄積し、

プレート内の断層が活動して発生した「逆断層型地震」だという。

 

 

震源が海と陸のプレートの境界よりも下の深さ57キロで、

東日本大震災のようなプレート境界の固着域がすべって起きる「プレート境界型地震」ではないことから、

古村孝志・東京大地震研究所教授は

「発生機構が異なり、東日本大震災の余震ではない」と指摘する。

震源がやや深く、規模もマグニチュード7.4と大きいため、東北から関東にかけて広い地域に大きな揺れが広がった。

発生の2分前に近くでM6.1の地震が起きており、最大震度5弱を記録。

揺れの被害を拡大したとみられる。

古村教授によると、

この付近では、東日本大震災の余震とは無関係に、M7~7.5程度の地震が繰り返し発生してきた。

昨年2月13日にもプレート内が震源のM7.3の地震が発生、最大震度6強を記録した。

一般的に、大きな規模の地震が起きた後は、2、3日のうちに同程度やそれ以上の規模の地震が起きる可能性がある。

気象庁は「揺れが強かった地域は、今後1週間程度は最大震度6強程度の揺れに警戒してほしい」と呼びかけている。

方位磁針の「北」、西にずれる 地磁気の変動影響か

 国土地理院は2日、方位磁針が指し示す北(磁北)が5年前に比べ、県庁所在地の平均で西に0.3度ずれたとの調査結果を明らかにした。

地球が持つ磁気(地磁気)が変動しているためと考えられる。

 

 地磁気の極は北極や南極とは異なる位置にあり、磁北は地図上の北と一致しない。

地磁気は地殻の影響も受けるため、場所によってずれは異なる。

 こうしたずれを補正するため、地理院は5年ごとに地磁気の分布を示した地図を発表している。

2日に発表された2020年版によると、東京では磁北が地図上の北より7.6度西にずれており、2015年より0.3度大きくなった。

 いずれの県庁所在地も2015年と比べて西にずれており、札幌、名古屋、大阪などは0.3度変化していた。

 

 磁北と地図上の北のずれは、登山時など方位磁石で方角を調べる際に把握が必要になる。

スマートフォンやカーナビでは自動的に補正される。