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2022年3月の記事一覧

ゼレンスキー大統領のイギリス議会での演説 ぜひ聞いて欲しい!

 

 私はイギリスのすべての人々に訴えます。

偉大な歴史を持つ国の人々へ。

私は同じく偉大な国の市民、大統領として訴えます。

大きな夢と闘争を持って。

 

 

われわれの13日間について話したい。

われわれが始めたわけでも望んだわけでもないのに、いまも続いている13日間の激しい戦争について。

なぜなら、われわれのウクライナを失いたくないからです。

ナチスが、あなた方の偉大な国、イギリスに対する戦いを始める準備をしていたときに、あなた方が国を失いたくなかったのと同じように。

 

 

1日目の午前4時、ミサイルが飛んで来ました。

子どもたち、私たち全員、ウクライナのすべての人、みんなが目を覚ましました。

それ以来は眠っていません。

私たちは皆、武器を取りました。

そして大きな軍隊になりました。

 

 

2日目、私たちは空、陸、海での攻撃を撃退していました。

そして、黒海のズミイヌイ島にいた私たちの英雄的な国境警備隊は、戦争の終わり方を教えてくれました。

つまり、敵はどうなるべきかについてです。

ロシアの船がわれわれの国境警備隊に武器を置くように要求したとき、

彼らは答えました。

議会で言うことができないほど強い表現でした。

(「ロシア軍艦よ、地獄に落ちろ」と答えていた)

そこにわれわれは力を感じました。

占領者を最後まで追い詰めるわれわれ国民の大きな力を感じました。

 

 

3日目、ロシア軍は堂々と一般の人々やアパートの建物に砲撃していました。

砲兵を使って。

爆弾を使って。

そしてその行動で、ついにわれわれおよび全世界は、

誰が誰であるかを見極めることができました。

誰が人間で、誰がただの獣なのか。

 

 

4日目、すでにロシア軍の数十人の捕虜を捕まえ始めたとき、

私たちは尊厳を失うことはありませんでした。

そして、ロシア軍の捕虜をあざ笑うことはありませんでした。

私たちは彼らを人として扱います。

なぜなら、この恥ずべき戦争の4日目に

私たちは人間のままだったからです。

 

 

5日目、私たちに対するテロはすでに大胆に行われるようになりました。

都市に対して、小さな町に対して。

破壊された地域。

爆撃、爆撃、爆撃。

家、学校、病院への爆撃。

これは大量虐殺です。

でも、われわれを破壊することはできませんでした。

国民一人ひとりを動員させ、われわれに真実を感じさせました。

 

 

6日目、ロシアのミサイルがバビヤールというキエフにある渓谷に落下しました。

これは、第2次世界大戦中にナチスが10万人を処刑した場所です。

80年後、ロシアは再び彼らを殺したのです。

 

 

7日目、彼らが教会さえも破壊していることに気付きました。

爆弾を使って。

再びロケット弾を使って。

私たちが知っている神聖で偉大なものを、彼らは知らないのです。

 

 

8日目、世界はロシアの戦車が原子力発電所を攻撃対象にしていることを目の当たりにしました。

ヨーロッパ最大の原子力発電所です。

そして、世界はこれが全世界に対するテロであることを理解し始めました。

これは大きなテロです。

 

 

9日目、NATO諸国の会合がありました。

しかし、われわれにとって望ましい結果ではありませんでした。

勇気がない。

われわれはそう感じました。

私は誰かを怒らせたいわけではありませんが、

われわれは同盟が動いていないと感じました。

彼らは空を封鎖することさえできません。

そのため、ヨーロッパの安全保障をゼロから構築する必要があります。

 

 

10日目に、武器を持っていないウクライナ人が占領下の都市のいたるところで抗議していました。

装甲車を素手で止めながら。

もはや、われわれを壊すことはできません。

 

 

11日目、住宅地がすでに爆撃されていた日、爆発がすべてを破壊していた日、壊された小児がん病院から子どもたちが避難した日。

われわれは次のことに気付きました。

ウクライナ人は英雄になりました。

何十万人もの人々が。

全ての都市の。

子ども、大人、全員が。

 

 

12日目、ロシア軍の損失がすでに1万人の死者を超えた日、

ロシアの将軍も死者に数えられました。

それにより以下のことが明確になりました。

すべての犯罪に対し、すべての恥ずべき命令に対して、ロシアは責任を取る日が来るということです。

国際司法裁判所、または、ウクライナの武器によって。

 

 

13日目に、ロシア軍によって封鎖されたマリウポリで子どもが亡くなりました。

脱水症状で。

彼らは市民に食べ物や水を与えません。

市民は閉じ込められ、地下室に隠れています。

聞こえていますよね、あそこで隠れている市民は水すら持っていないのです。

ロシアの侵略の13日間で、50人の子どもが殺されました。

50人の偉大な殉教者。

これは恐ろしいことです。

心が空っぽになりました。

50の宇宙が生きることができたのに、彼らがその命を奪いました。

ただただ奪いました。

 

イギリスの皆さん。

ウクライナはそんなことは望んでいませんでした。

偉大になることなど求めていませんでした。

しかし、この戦争で、ウクライナは偉大な国になりました。

占領者のテロの中でも、人々を救うウクライナ。

世界最大級の軍隊の攻撃から自分たちの自由を守り続ける。

封鎖されていない空の中で、守り続けています。

ロシアのミサイル、飛行機、ヘリコプターに対してまだ封鎖されていない空。

「生きるべきか、死ぬべきか?」

あなた方はこのシェイクスピアの言葉をよく知っていると思います。

13日前は、まだこの質問がウクライナに提起される可能性がありました。

しかし今は違います。

返事は明らかに「生きるべき」です。

明らかに、自由であるべきです。

そして、イギリスがすでに聞いたことがある言葉を思い出してもらいたい。

この言葉は再び意味を持っています。

私たちはあきらめない、負けません。

最後まで戦います。

われわれは、海で戦い、空で戦い、

どれだけ犠牲を出そうとも、我々の領土を守ります。

われわれは、森の中で、野原で、海岸で、都市や村で、通りで、丘で戦い続けます。

 

 

そして私から付け加えたい。

われわれは山でも、カリミウス川とドニプロ川でも戦います。

そして、われわれはあきらめません。

もちろん、あなた方の助けを借りて、偉大な国の文明の助けを借りて。

皆様のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

そして、私はあなた方、私の友人ボリス・ジョンソン首相に特に感謝しています。

テロ国家に対する制裁を強化してください。

テロ国家として認識してください。

ウクライナの空を安全にする方法を見つけてください。

できるかぎりのことをしてください。

やるべきことをしてください。

あなた方国民と国家は偉大であり、その義務を果たしてください。

偉大なウクライナに栄光あれ。

イギリスに栄光あれ。

真に勇気ある露テレビ局員!!「兄弟殺しをやめろ」「プロパガンダを許した自分を恥じている」

真に勇気あるロシア国営テレビ局員

マリーナ・オブシャニコワさんの生の声を聞いて下さい!!

 

 いまウクライナで起こっていることは、犯罪です。

そしてロシアは「侵略者」です。

そしてこの攻撃の責任は、たった一人の人物の考えにあります。

その男はウラジーミル・プーチンです。

 

私の父はウクライナ人で、母はロシア人です。

二人は決して敵ではありませんでした。

私が身につけているネックレスは、シンボルです。

ロシアはすぐに兄弟殺し(同胞殺し)をやめなければいけないという印です。

そして、私たち兄弟のような人々は、まだ和解ができるでしょう。

 

残念なことに、私は近年1チャンネルで働いて、クレムリンのプロパガンダのために働いてきました。

私はいま、それをとても恥じています。

私はこのような嘘を画面上で流すのを許したことを恥じています。

ロシアの人々を「ゾンビ化」するままにしてしまったのを、恥じています。

 

2014年(クリミア侵攻の年)、私たちは沈黙を保ちました。

これはすべての始まりにすぎませんでした。

クレムリンがナヴァリヌイ氏に毒を盛ったとき、

私たちはデモに行きませんでした(報道しませんでした)。

私たちは黙って、この非人間的な体制を見ているだけだったのです。

そしていま、世界中が私たちに背を向けています。

これから10世代たっても、この兄弟殺しの戦争の恥を拭いさるには十分ではないでしょう。

 

私たちロシア人は、思慮があって頭が良いはずです。

この狂気を終わらせるのは私たち次第なのです。

外に出てデモに参加してください。

何も恐れないで。

彼らは、私たち全員を投獄するなんて不可能なのです。
 

 

 この戦争をとめられるのは、ロシア人しかいない。

まだ間に合うだろうか。

彼女は「まだ和解ができる」と言っている。

しかし、ウクライナ人がロシア人を許せるとは思えないし、決別の道が揺らぐことは決してないだろう。

それでも首都キエフが陥落する前なら、もしかしたら、まだ間に合うかもしれない。

 

 彼女の勇気は素晴らしい!!

釈放されるように何とかできないものか。

デモや署名活動があれば協力したい。

露国営テレビでスタッフが「反戦」訴え 生放送中に!!

 ロシアの国営テレビで14日、

夜の生放送のニュース番組中に

「戦争をやめて。プロパガンダ(政治宣伝)を信じないで」

との紙を掲げた女性が登場し、画面が切り替えられる放送事故があった。

 

 女性は、キャスターがニュースを読み上げている最中に画面に登場(!)し、

反戦を訴える紙を掲げ、

「戦争をやめて」と叫んだ!!

 

女性(マリーナ・オブシャニコワさん)は国営テレビのスタッフで、その後、警察署に連行されたという。

ロシアでは、プーチン政権の統制下にある国営テレビが侵攻を正当化するプロパガンダ放送を大々的に展開している。

一方、メディアに対して「特別軍事作戦」を「侵攻」や「戦争」と呼ぶことを禁じているほか、

ロシア軍に関する「虚偽情報」を拡散した場合は最長禁錮15年を科す法律も施行している。

 

このスタッフは自らの体を張って訴えてくれたんです!!

この立場で、よくぞやってくれたと思います!!

どうか無事であることを祈っております・・・

停戦協議 両国代表団から前向きな発言も・・・!!

 両国による停戦協議が、日本時間の14日17時半から始まる予定です。

 

両国の代表団からは前向きな発言が出ており、

事態の打開につながるか注目されます。

 

14日朝も首都キエフの集合住宅が砲撃され炎上するなど、

ロシア軍の激しい攻撃が続いていて民間人の被害が拡大しています。

 

今回の停戦協議は、これまでと異なり、オンラインで行われるということです。

協議を前にウクライナの代表団の1人は

「建設的な話し合いが始まっていて、

数日中に何らかの成果が得られると思う」

と述べたほか、

ロシアの代表団の1人も

「まもなく、双方が合意できるかもしれない」

と話したということです。

 

今回、何らかの進展があるか注目されます!

プーチンは確かにこう言ったらしいのですが・・・

3月11日、

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナの協議で一定の進展があったと述べた。

ベラルーシのルカシェンコ大統領との会談で、プーチン大統領は、

西側の制裁がロシアの発展を妨げることはなく、ロシアは最終的に強くなると指摘。

ウクライナとの交渉は実質的に毎日行われており、

「交渉担当者からの報告では、一定の前向きな変化がある」と述べた。

大統領府のペスコフ報道官は、

欧米のウクライナ東部での民間人殺害や、NATOの東方拡大を巡るロシアの懸念に、

欧米が対応する措置をとれば、紛争は終結すると語った。

戦争で最初に犠牲になるのは「真実」 最も耐え難い犠牲者は子供たち

 戦争で最初に犠牲になるのは真実だとよく言われます。

しかし、最も耐え難い犠牲者は子供たちです。

自宅で、あるいは道の上で。

これは、特殊作戦の現実的な結果であり、

天使たちの命を奪い、

両親や祖父母を殺し、

彼らの家や学校を破壊しています。

 

 子どもたちを攻撃することは、

生命や文明そのものを攻撃することなのです。

 

プロボクシング元ヘビー級王者・クリチコ兄弟(ウクライナ)

 

戦況がどう動いても、戦闘が終わるまで犠牲者は増え続ける・・・

 ウクライナへの侵攻から既に10日が過ぎ、

国内外のメディアからはさまざまな報道がなされている。

「ロシア軍の侵攻は思ったように進んでいない」

「ロシア軍兵士の士気が下がっている」

「クレムリンの中でプーチン大統領に物を言える人がいない」など、

ロシアについてネガティブに報じるものが多いが、

プーチン大統領としても、一度侵攻に踏み切った以上は弱気の姿勢を見せられなくなっている。

また、兵力を比較してもロシア軍の優勢は明らかであり、

欧米諸国がウクライナ軍への軍事的支援や、欧米からの制裁がさらに強化されても、

侵攻を思いとどまる可能性は低く、侵攻をさらに加速させるかもしれない。

ロシア軍は市民の巻き添えを顧みずに攻勢を強める恐れがある。

 

 実はこれまでも、国際社会において

「経済制裁で戦争は終わらない」ということが多かった。

 

<経済制裁は政治的に使いやすいツールですし、

「制裁をした」と発表することで国民の憂さ晴らしにもなるという効果もあります。

相手の行動を変えるよりも、制裁を与えること自体が目的化しているともいえます>

 

 つまり、我々は、

ロシアからトヨタが撤退したとか、マクドナルドが営業停止をしたとか、ロシアの富豪たちが資産を凍結されたという経済制裁のニュースを見て、

「ざまあみろ!」と胸がスカッとしているが、

それだけで終わってしまっていて、現実の戦争を終わらせることにはそれほど役立っていない恐れがあるということだ。

 

 制裁も一定の効果を持ち得る。

しかし、それはまた、制裁が逆効果となる始まりでもある。

これは、一つには、制裁がある国の一般市民に痛みを与えることになると、

問題の指導者を脅かすというよりは、むしろ、その国の反外国人感情を高まらせかねないからである。

 つまり、経済制裁によって痛みを与えられたロシア国民が、

「プーチンの暴走を止めろ!」となるのではなく、

「西側諸国の嫌がらせに負けるな」という感じで、西側諸国への憎悪をかえって膨らませてしまうのだ。

誰がどう見ても悪いのはプーチンなんだから、世界からどう見られているのかという正しい情報を教えてあげれば、ロシア国民も目覚めるはずだ、と反論をする人もいるだろうが、

この「経済制裁による事態悪化」を誰よりも知っているのが、我々日本人だ。

ロシア国民を追いつめて対立と憎悪をあおるだけかもしれない。

 

 ロシアで反戦ムードが高まっているのは事実だし、プーチンへの不信感・不満も高まっているのも事実なのだろう。

しかし、一方で西側メディアが報道するウクライナの惨状を見て、

「フェイクだ」「NATOの陰謀だ」として、より西側諸国やウクライナに対して憎悪を膨らませている人や、プーチンの信奉者もそれなりにいるのも事実だ。

 ということは、西側諸国の「反ロシア連帯」が強まれば強まるほど、

そのような人々のナショナリズムを刺激して、

「この制裁を解除させるためにも、ウクライナに総力戦を仕掛けて早く勝利をしなくてはいけない」という、事態を悪化させるような世論が醸成される恐れもあるのだ。

 

 経済制裁で国民に痛みを与えれば、彼らが立ち上がって権力者の暴走を止める、というのは、確かに合理的な考え方だ。

が、80年前の日本(太平洋戦争を始めた)を見てもわかるように、

戦争というのは、「正しい情報」が揃っていたとしても、合理的な判断ができない時に起きるものなのだ。

 

 プーチンの暴走を食い止めるために国際社会が連帯・連携すべきであることにはなんの異論もない。

しかし、一方で過去の歴史を学べば、「ロシア国民」を追いつめるようなことをしてもさらなる対立と憎悪をあおるだけで逆効果になってしまう恐れもある。

 

 今我々がやるべきは、

ウクライナの人々を救うことであって、

必要以上にロシアの人々を苦しめることではないのではないか。

 

 

全世界が見守る中の外相会談も、先は見通せず・・・

 主権ある国家を一方的に破壊している国の外相と会談が行われた・・・

世界の国々も、戦闘が終わって犠牲者が増えないよう祈りながら会談を見守った

ウクライナ側の主張は、自国の主権を侵害せず直ちに戦闘をやめて欲しいということだけ

しかし結局、今回もロシア側の要求は変わらなかった

そして、戦闘は一般市民もターゲットにした激しいものに変わってきている・・・

 

神様!

どうか、この状況を救って下さい!!

なんとかして下さい!

お願いします!

「プーチンの戦争」 終わらせる力はひとえにそれと戦う市民にある

 ロシア出身の歴史学者であり哲学者である朴露子(パク・ノジャ)ノルウェーオスロ大教授が、プーチン政権の誤った判断が、旧ソ連地域の未来に持たらす危機を展望する緊急寄稿を寄せた。

 

 韓国現代史において有名な部分が一つある。

第2次オイルショックにともなう物価暴騰、低賃金に依存してきた高速成長が露呈した構造的貧困、維新政権の暴政などによって

1979年10月16日に立ち上がった釜山と馬山の市民を、

朴正煕は軍事的暴力で鎮圧しようとした。

部下たちと議論する席で、あろうことか、自ら軍隊を送り発砲命令を下すと厳命するほどであった。

超強硬論を支持した警護室長のチャ・ジチョルは、

「カンボジアで300万人を殺しても何ともなかったのですから、われわれもデモ隊員200万人を殺してもどうということはありません」と、信じられないおぞましい発言もはばからなかった。

言ってみれば、すでに現実感覚を失った独裁者とその奸臣は、

あえてジェノサイドも辞さないという立場だった。

このままでは韓国の支配体制全体が一瞬で崩れかねないことを看破した中央情報部長のキム・ジェギュは、

支配層の「自己保身」のために本人だけの幻想の中で生きていた独裁者とその一部の奸臣をその場で「除去」した。

「数百万人」が死ぬという悪夢はこのようにして回避された。

 

 

 独裁者が現実感覚を失うメカニズムは単純だ。

追従を通じて自分の地位の保全や昇進を狙う部下たちは、

チャ・ジチョルのように主人が聞きたがる言葉ばかりを発し続ける傾向がきわめて強い。

その間に独裁者は、状況に合う適切な決定を下すに足る「客観的資料」を提供されず、

かくのごとく一世一代の失策を犯したりする。

朴正煕もそうしてついには部下の銃によって死んだ。

 そして、プーチンも今や手を引くことがかなり難しい泥沼に陥ってしまった。

 

 

 すべての東スラブ人を潜在的なロシアの愛国者として取り扱い、

ベラルーシやウクライナの独立的アイデンティティを否定する大ロシア民族主義を盲信するプーチンは、

ロシアの軍隊が、少なくともドニエプル川の東側のウクライナで「解放軍」としてもてなしを受け、

ウクライナの親米政権はすぐに亡命し、

戦争を速戦即決で終わらせられるだろうと、最初は信じていたようだ。

プーチンのヘゲモニー的民族主義の濃度をよく知る彼の部下たちは、

彼にもっぱら「ロシアを心ひそかに愛するウクライナの人々の胸の内」だけを話した。

こうしたロシア支配集団のイデオロギー的自己陶酔の結果が、まさに世界史に後々まで残る誤った戦略的判断だった。

 

 

 「解放軍」のもてなしはなかった。

ロシア軍を迎えたのは、火炎瓶と無限の勇気で武装した市民軍だった。

ウクライナ軍の兵士たちは降服より「玉砕」を選び、

非武装の民間人は素手でロシア軍の戦車を止めようとする。

プーチンの想像とは正反対に、彼らの中の相当数は民族的にはロシア人であったり、

普段はロシア語を使うウクライナ人たちだ。

抵抗するウクライナ人の間には、民族や言語などによる葛藤は全く見られない。

民族的にはユダヤ人であるゼレンスキー大統領を含め、数十の民族で構成されたウクライナの住民たちが、今や一つの多民族国民集団を作り上げたのだ。

 

 

 韓国や北朝鮮でも、抗日抵抗の叙事が国民ないしは人民集団の結束を保障するように、

ロシア侵略軍に対する抗戦は、ウクライナ国民を今後も団結させる叙事として位置づけられるだろう。

もちろん、軍事的にはウクライナがロシアに比べ劣勢だ。

およそ1、2か月間で、ロシア軍は大量爆撃と砲撃で、結局ウクライナ正規軍の抵抗を物理的につぶすことはできるだろう。

その間に民間人の犠牲は雪だるま式に増え、

「ウクライナ人の、骨の髄まで深く刻み込まれるロシアに対する怨恨」ばかりが無限に膨らむだろう。

義憤に満ちたウクライナ人民の遊撃戦は、いかなる親ロシア傀儡政権も容易に鎮圧できないだろう。

すなわち、プーチン政権であれ、その後続の政権であれ、

いくらウクライナに対する支配権を追求しようとしても、その支配は常に問題含みで不安定なものだろう。

西側の支持までたっぷり受けて、ウクライナ人の命がけの抵抗は数十年、もしかしたら数百年続くこともありうると考える。

 

 

 私は予言者ではないから、今後ロシア指導部が取る具体的な戦術を予想することはできない。

西側との経済的断絶を含め、戦争に伴う費用支出が行き過ぎだという判断が出れば、

プーチン政権はことによると、ウクライナからクリミア半島の強制合併承認のような一部譲歩を勝ち取った後、軍の撤収を始める可能性もなくはない。

しかし、プーチンのヘゲモニー的民族主義を共有する半分以上のロシア国民がこの戦争を依然として支持していることや、

一部の事業家や金融官僚を除けばロシアの官僚・企業のエリートの中からまだ「早期終戦」をすべきという立場が表明されていない点から見て、

ひとまずロシア指導部が構想する「大きな絵」は、ウクライナとの「適当な妥協」よりは持続的強硬路線を骨格としているようだ。

 

 

 しかし、上に述べたように、

ウクライナ国家が軍事的には敗北しても、

ウクライナ人民の抗争は遊撃戦などの形で明確に持続するだろう。

ロシアの知識人社会は、プーチンの事実上の終身政権と侵略戦争にきわめて批判的であり、

今後生活水準が顕著に低下するだけに、ロシア民衆の抵抗も少なからず起きるだろうとみている。

中国より経済的にはるかに脆弱なプーチンらの「ユーラシア共栄圏」は、

今後ユーラシア大陸で「革命」の中心に浮上する可能性も充分にある。

 

 究極的に侵略と独裁を終わらせることができる力は、

ひとえに自覚し闘争に出た市民にのみあるだろう。

 

 今、ウクライナの市民が侵略に対抗して見せている勇気は、

ロシア人たちにも永らくインスピレーションを与えるだろう。

 

「戦地に赴くまでは伝え続ける」 ウクライナ人男性の思い

 「いつまで更新できるか分からないが、愛する日本の人たちに、私の目の前で起きている真実を知ってほしい」

発信しているのは、サシャさん(47)。

ウクライナは親日国として知られ、アニメなど日本の文化に親しむ人も多い。

サシャさんも、武士道など日本の文化が好きで、ネットで独学で日本語を学び、日本語を知っている友人らとSNSやメールでやり取りをしてきた。


自身は総動員令を受けて、自宅に戻った。

3月2日に召集を受けたがいったん待機となり、またキエフに攻め込んでくるロシア軍部隊を発見し次第、召集がかかる予定だという。

侵攻以来、日本にいる知人らからも連絡が入るが、

その中で、目の前で起きていることや報じられているニュースと、日本でのニュースの違いを見せつけられた。

 

 「北東部の都市ハリコフの状況は、本当に地獄。

ロシア軍は容赦なく、誰でも攻撃している。

学校もマンションもミサイル攻撃を受けた。

もうキエフにも安全な場所はない」とサシャさん。

「日本にも、数日後にはオフィシャルなメディアを通じて情報や映像が届くのかもしれない。

でも、きっとそれは『やさしく』された情報。

ウクライナの真実はもっと残酷」

 

 

 「ロシア兵が来れば、僕も戦場に行く。

怖くはない。

プーチンの好きなようにはさせない」とサシャさん。

 

「これからは情報の戦いになる。

でも全然足りない。

いつ召集がかかるか分からない。

そうなったらもう更新はできないかもしれない」と訴え、こう続けた。

「リアルな状況を知る人が多ければ多いほど、そして早ければ早いほど、いいと思っている。

どうか、私たちのことを知って、一緒に『戦争反対』を言ってほしい。

広く知らせてほしい。

さもないと、この戦争は世界に広がり、安全な場所はなくなってしまうかもしれない」