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「空爆された病院にトンネルが」 イスラエル軍が繰り返す「ハマスが悪い」

 

ネタニヤフ首相:「人質全員を解放しない限り、停戦交渉はない。

ユダヤ人は他に行く場所がない。

勝つまで戦うのみ」

 

空爆開始から7日で1カ月。

ガザ地区だけでの累計死者数は、1万を超えました。

民間人の犠牲者は膨らみ続け、世界中の非難の声は高まるばかりです。

 

イスラエル軍は、「民間人が亡くなるのはハマスのせいだ」という論調をいっそう強めています。

例えば、空爆された病院にはハマスのトンネルがあったという主張。

イスラエル軍報道官:「ご覧のように、イスラエル兵がトンネルの入り口を発見しました。

地上作戦の一環として、この病院を調査した結果、トンネルはテロ攻撃のインフラとして使われていました」

子どもたちの遊び場のすぐ近くから攻撃が行われている、という主張も。

イスラエル軍:「ここで見えるのは、イスラエルに向けて発射されるロケット用の4つの発射筒です。

子ども用プールからはわずか5メートル。

住宅からは20~30メートルほどの距離にあります」

 

こうした主張が増えてきた理由。

先週、救急車が空爆の標的にされ、15人が亡くなったことが影響しているかもしれません。

イスラエルは、自分たちの空爆だと認めつつも「ハマスが悪い」と繰り返しました。

イスラエル軍報道官:「テロリストが救急車を移動手段とする様子が確認されたため、その救急車を脅威として捉え、攻撃しました。

ハマス戦闘員は何度も、戦場で違法に救急車を利用していて、特に幹部連中はタクシー代わりとしています。

 

戦闘開始から7日で1カ月が経ちますが、人質解放のめども停戦の兆しも見えず、事態は混沌としている状態です。

アメリカのブリンケン国務長官は、食料搬入など人道支援目的で、一時的な戦闘の中断を求めています。

しかし、イスラエルのネタニヤフ首相は、一時的な戦闘の中断を拒否しています。

5日には改めて「人質の帰還なくして、停戦はあり得ない」と強調しました。

 

鈴木特任准教授:「ハマスは、人質をカードにイスラエルから譲歩を得たい思惑がある。

攻撃が継続されるなか、全員解放を行うことは考えにくい。

一方、イスラエルは、あくまで人質の全員解放が停戦の前提という姿勢を崩さない。

お互い相容れない状況になっている」

この状況での戦闘の一時中断は難しい状況です。

鈴木特任准教授:「『ガザ地区での軍事行動は自国の決定で続ける』というのが、今のイスラエルの考え。

アメリカ政府でさえ抑制できていない状況。

そこまで強硬姿勢を取る理由は、ネタニヤフ首相はハマスの急襲を防げなかった。

その失敗を挽回するために必死なのだ」