音楽日記 自分の言葉で書いていきたい!

音楽日記

シューベルト 交響曲第8番ハ長調 P.ヤルヴィ指揮 ドイツカンマーフィル

シューベルト 交響曲第8番(大ハ長調)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮 ドイツカンマーフィルハーモニー管弦楽団

所沢ミューズ アークホール

 

予想以上の超速演奏で、始まると同時に、ああっ・・・と思いました。

どの部分もすごく速めに進んでいく・・・

第2楽章の、あの素晴らしく美しい部分でさえも。

強弱の差は大きいけど、強弱の変化が速い。じわじわと盛り上がったりしない。

弦合奏は、柔らかさより、常にソリッドな感じが強く、また厚みがない。

その割には金管の音量が大きく、金管だけが突出して聞こえることが多い。

弦と金管は融け合うというより、お互いが原色の音で提示される感じ。

最近の古楽器合奏のイメージに近いかもしれません。

ということで、今まで慣れ親しんできた、また感動させられた演奏のスタイルとはまるで違います!

 

しかし・・・

今日の演奏には、生命力、活力が充分に宿っていました!

燃える炎(決して大きな音とかのことではない)も見えました!

音楽を届けてもらう時、この輝きをいつも待っています。

瞬間でもいいんです。粗削りでもいいんです。

完成されたとか、スマートで小綺麗なだけとかの演奏は要らないんです!

今日のオーケストラは、小柄ながら、心意気を充分に感じさせてくれたと思います!

また、アンコールの、シベリウス アンダンテフェスティーヴォは初めて聴きましたが、とても美しい曲でした!

 今日の演奏に感謝します!

はるか彼方を見つめるシューベルトの交響曲第8番ハ長調

今日、ぜひ書いておきたいことがあります。

明日、所沢ミューズでの、シューベルトの第8交響曲(大ハ長調)の演奏会を聴きに行きます!

パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツカンマーフィルハーモニーの演奏です。

この曲は自分にとって特別に思い入れのある曲なんです。(多分、この曲にそういう想いを持っているファンは多いと思っています!)

当時は曲名が分からないまま2楽章途中までで切れて録音したカセットテープを何度も何度も聴いていました。

ただ、「シューベルトの交響曲ハ長調・・・」だけは録音テープにアナウンスが残っていました。今ならネット検索で一発で分かりますよね。

ある日、テレビ放送からこの曲が流れてきて、「第7番の交響曲」だと分かり、また、曲の最後まで聴くことも出来ました!

この曲は、第7番、第9番、第8番、と番号付けが変わっていきました。そのいきさつは検索してもらえばすぐに分かります。自分が聴き始めた頃は第7番、現在のウィーンでは第8番と呼ばれているようですが、最近まで第9番と呼ばれることが長かったと思います。(すると、この時の第8番はロ短調未完成です。)

副題に、英語だと「The Great」と付いていますが、これは当初、2つあるハ長調交響曲を区別する意味合いしかなかったということです。

「The Great」が大ハ長調、「The Little」が小ハ長調(第6番)です。

 

自分は専門的なことは分かりません。

しかし、この曲は真に偉大で、ベートーヴェン以上だと思い込んでいます。

(専門家はだれもこんなことは言いません! シューマンは天国的な長さだと言った。それは冗長だからだ・・・)

この曲は前を向いた生命力溢れる音楽だ、というのはもちろんですが、自分は、遥か彼方を見つめているシューベルトの姿を思い起こしてしまうんです。

彼の手の届かない希望や未来を見つめているような気がするんです。

希望や未来に対する強いあこがれが、曲の生命力につながっていくのではないでしょうか?

この曲は最近まで、死の年1828年の作と言われてきました。自身の死を実感するほどの状況で、暗さなど微塵も無い、希望に満ちたあのような曲をどうして書けたんだろう?

死を否定し、希望や未来に対する強いあこがれで書かれたからではないか? と思っていました。

しかし、最近の研究で作曲年は1825年~1826年らしいとなったので、この考えは外れているかもしれません。(楽譜が1828年と書き換えられていたという説あり)

でも、シューベルトは貧乏で、まだ充分に認められてもいませんでした。

希望や未来に対する強いあこがれがあったはずだ、と思います。

なぜ、ベートーヴェン以上、などと言いたいのか?

ベートーヴェンはもっと身近な所での闘争と勝利、シューベルトのこの曲は遥か彼方へのあこがれ、という気が強くしていて、ちょっと感傷的な気持ちも加わって「真に偉大」だと強く思ってるんです。

なので、自分はこの曲はまさに「The Great」と呼ばれるにふさわしいと思っているんです!!

(英語だとゴージャスでちょっと安っぽい? 独語の「Die Große」の方がいいですね!)

 

うまく言えませんが、文章で理屈を述べるなんてどうでもいいですね。

明日の演奏は、ヤルヴィがさらりと流して演奏するんじゃないかという不安がちょっとあるんです。

第1楽章開始のホルンのテーマ、第1楽章終結部でこのテーマが堂々と再現される部分、第2楽章の天国から呼びかけられてくるような本当に美しい瞬間、波が繰り返し押し寄せるように力強い第4楽章、そして最後に、繰り返される低弦の強奏がより興奮を掻き立てるフィナーレ。

どのように演奏してくれるのでしょうか?

もしがっかりしたら、感想は書けないので、その前に書いておきました。

ビゼー作曲 ギロー編曲 「神の子羊 Agnus Dei 」のこと

この曲を聴いて、平静ではいられない気分です ・・・

けど、うなされるように、Jose Cura のテノールを何度も聴いている ・・・

https://www.youtube.com/watch?v=CUqyhayyG-4

 

ビゼーの原曲では、この情熱をサクソフォーンの調べの中に封じ込んでいる。

何気なく聴いいただけだと、通り過ぎてしまうような、時に控えめに、ただきれいに聴こえるだけ。

ギローの編曲は、封じ込められているビゼーの情熱を、そのまま表現した!

この曲を目の前にした歌い手は、冷静に歌おうなんて思わないはず。

 

さて、多くのレクイエム、ミサ曲にも出てくるAgnus Dei(神の子羊)の曲調と、この曲はまるで違います。

Agnus Deiの歌詞は、

 

 神の子羊 この世の罪を消し去るお方よ

 あわれみ給え あわれみ給え われらを

 神の子羊 この世の罪を消し去るお方よ

 あわれみ給え あわれみ給え あわれみ給え われらを

 子羊よ 神の子羊 この世の罪を消し去るお方よ

 子羊よ 神の子羊 この世の罪を消し去るお方よ

 われらに平安を与えたまえ

 神の子羊よ 平安を与えたまえ 神の子羊よ われらに平安を与えたまえ

 われらに与えたまえ 与えたまえ 平安を

 

ビゼーの曲と、この歌詞がどのように繋がっていくのでしょうか?

今の自分には、残念ながら、まだ分からないんです。 

ビゼーの「神の子羊」 朝からノックアウト・・・

ビゼーの劇音楽「アルルの女」は、彼自身の手でオーケストラ組曲に編曲されました。

また、ビゼーの死後、友人のギローは、別の曲を使って新たな組曲として編んでいます。

これらが、順に、第一組曲、第二組曲、というわけです。

この第二組曲に「インテルメッツォ(間奏曲)」があります。

サクソフォーンのメロディーは、一度聴けば忘れられないでしょう。

 

学校の放課後、吹奏楽部の練習は、部員一人ずつ個々の教室を使うことが多いんですが、

前の職場で、サクソフォーンの練習教室から、突然このメロディーが流れてきて、目を閉じて聴き入ったことを思い出しました。

 

たった数分の音楽ですが、美しいとか、崇高とか、そんな言葉では足りない・・・

いや、もっと違う感情が込められていると思うんです。

何気なく流れるように始まるソロが、すぐに熱を帯びてきます。

激しいもの、狂おしいものがこの音楽には込められていると自分は感じます。

序奏から聴けば、ああそうだ! ・・・ と、きっと感じられるでしょう。

このような音楽が生ぬるく聴こえる演奏は、絶対にイヤなんです。

(ごめんなさい ・・・ 録音のせいもきっとあるかもしれない)

 

ギローが、ビゼーの死後、この曲に歌詞をつけたのが「神の子羊」です。

サクソフォーンのメロディーをテノールが歌います。

自分は、このギローの編曲を聴いたことがなく、今朝、何気なく、初めて youtube で聴きました。

 

・・・ 参りました ・・・ 朝からノックアウトされた気分になってしまいました ・・・

 

https://www.youtube.com/watch?v=JXbE7uXz6Ks

バックのオケとずれても、さらに情感を込めようと歌っている。(この録音は序奏がかなりカットされています)

 

https://www.youtube.com/watch?v=VoBwBjBiInI

前半がビゼー原曲、2’ 27” あたりからギロー編曲

 

https://www.youtube.com/watch?v=GwXy-J0j-j4

さすがのパヴァロッティ

 

https://www.youtube.com/watch?v=CUqyhayyG-4

素晴らしい!!

徐々に、徐々に、感情を高めていく ・・・

Jose Cura の熱唱 ・・・ !!

バックのオケ、合唱共にいいです!

スウェーデン、ステンハンマルの交響曲第2番

ここ数日、このシンフォニーが頭の中でエンドレスで響いています・・・

 

ステンハンマル 交響曲第2番 ト短調

https://www.youtube.com/watch?v=8ey3wdhE1OI

 第1楽章冒頭からイイです! そして、そのまましばらく聴いて下さい。1' 30" すぎからの深い憂愁をたたえた表情・・・

 第3楽章(22' 40" すぎから)のノーブルで力強いスケルツォ、さらに 23' 32" からしばらく聴いて下さい!

 極めつけは、終楽章のココ!!(42' 10" すぎから そして 45' 40" すぎからのフィナーレ!!)

 

決して、気難しいとか、とっつきにくいとかないですから、聴いてみて。

10月のN響定期で今年91歳になる、ヘルベルト・ブロムシュテットがこのシンフォニーを振りました!

ブロムシュテットはアメリカ生まれですが、スウェーデン人の指揮者です。

同郷の名作を広く知ってもらいたい、ステンハンマルの気持ちを音にしたい、という願いが強かったはずです。

ちなみに北欧のシンフォニーと言っても、同世代のシベリウス(フィンランド)、ニールセン(デンマーク)が演奏されているばかりだと思います。

この曲は、ロシアでもドイツでもなく、また、シベリウスでもニールセンでもないと感じられます。

終楽章ラストの息の長い、うねるような弦合奏主導の大きな表現は、熱く、胸がいっぱいになります!!

自分も知らなかった曲で、またスウェーデンの交響曲もベルワルド以外は初めて聴きました。

ロマン派の枠を超える新しい音楽ではないと思いますが、素晴らしい曲をまた一つ教えてもらいました!