音楽日記
ハンス・ツェンダー指揮のシューマン交響曲第2番(1)
先週、自分としては驚きの経験がありました。
ヤフオクで入手したブラームスの交響曲全集ですが、予想をはるかに超えて素晴らしい演奏でした!
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキー指揮ハレ管弦楽団の演奏のものでした。
奇をてらわず、ていねいにていねいに自分のために音楽してるような演奏。
かと言ってこじんまりまとまってしまっているのではなく、響きにも充分な厚みがあり、充実感たっぷりの内容でした!
特に地味になりがちな第3交響曲が味わい深くしかも力強く仕上がっているのですから、本物の演奏と言っていいと思います!
2つの序曲とハイドン変奏曲も素晴らしかった!
(これは全く自分の感想です! 世評とかどうなのかは知りません)
このブラームスに関しては、いずれ書けるといいのですが、実はこれから書きたいことは別のことなんです。
この演奏に感激して、「そうだ!スクロヴァチェフスキーのシューマンはどうだろう?」と Youtube や Amazon music を使って探してみました。
シューマンの交響曲は演奏が難しいと昔から言われてきました。
その難しさですが、「重厚な響き効果的な響きを引き出す演奏が難しい」というものです。
カラヤンはオーケストラをたっぷり鳴らした録音を残していて、自分が10代の頃はカラヤンのような演奏でないと「シューマンの交響曲は重厚に響かない」と植え付けられていたし、自分でもそう思い込んでいました。
カラヤン指揮の恰幅のいい第4交響曲の演奏はLPレコードでも繰り返し聴いてきました。
シューマンの交響曲を「鳴りっぷりを良くする」ために、元の楽譜に手を加えて演奏する行為は昔からしばしば行われてたようです。
これに関してはマーラーの編曲が有名で「マーラー版」が存在しているんですが、ワインガルトナーやトスカニーニといった大指揮者も独自に楽譜に手を加えていたそうです。
さて、シューマンの4つの交響曲の中で最も地味なのは第2番だと思いますが、するとこの第2番を上手く聴かせるのはより難しいのではないかと思うんです。
そして、自分も充分に馴染んでいなかったのがこの第2番でした。
ということで、スクロヴァチェフスキーの指揮でまず第2交響曲を聴いてみました。
このあと、自分の大好きな第4番、第3番と聴き進んでいこうと思ったんです。
(続く)
この第2交響曲の深々とした素晴らしい第3楽章 Adagio espressivoをぜひ聴いてみて下さい!
クリストフ・エッシェンバッハ指揮の演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=Yvrki7nJIKo&list=PLexwM939sM9boKHCbEl9zRPlEc3thfD-z&index=7
PS.題のハンス・ツェンダーについてはまだ書いていません。
ヤフオクで手に入れたいCDはTポイントで!
廃盤になったCD、流通量が少なかったCD、あまりCDを作っていないと思われる国のCD、時には海賊盤CD・・・
これらはAmazonで探すと沢山見つかります。
さらに原語で検索すると、importCDだけでなく、イギリス、アメリカ、ドイツなどのサイトに行きつくこともあります。
この国外サイトの中で「Deliver to Japan」となっているCDがあれば、購入は比較的容易です。
レアな音源だと、そこまでしないと手に入らない物があるんです。
特に、器楽曲や室内楽とかになると、オーケストラものに比べてとたんに探すのが難しくなります。
さて、ヤフオクやメルカリでも中古CDを結構楽しく探せます。
こちらは、国内盤CDで流通が少なかった物とか、セット物がバラで出品されていたりとか。
先週、FM放送で耳にした、林光作曲「ギター協奏曲 北の帆船」の室内楽版のCDをヤフオクで入手したんですが、これはカード決済で支払いました。
そんなことをしているうちに、数百円の安くて面白いCDがいくつも見つかりました。
再度支払い方法を見てみると、paypayやTポイントが使えるではありませんか!
嬉しくなって、現在CD6枚ほどの落札に参加しています。
・スクロヴァチェフスキー指揮ハレ管弦楽団の、ブラームス交響曲全4曲
・マッケラス指揮の、シベリウス交響曲第2番
・セルゲイ・スタドレル独奏の、チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
・ミトロプーロス指揮ニューヨークフィルのショーソン交響曲(1953年録音)
凄く楽しみなんですが、とっても大切なことを忘れないようにしないといけません!
「CDが届くけど、支払いは全部Tポイントだからね!」
って、カミさんに伝えておくことです!(笑)
Let it be
先日、突然テレビ番組の中でビートルズの「Let it be」が流れました。
本当にいいですよね・・・!
生き方の原点を見つめ直させる曲の一つのようにも聴こえます。
そして、歌詞や曲の意味を全く知らなくてもすごくいい音楽だと思いませんか?
この曲のこと何か書こうと思いましたが、やっぱりうまく書けません。
みなさんおなじみですが、オリジナルのリンクを貼っておきます!
イヴはブリテンの「キャロルの祭典」を聴いて欲しい
昨年と同じになるんですが、やは今夜はこの曲を紹介したくなるんです。
Benjamin Britten 「A Ceremony of Carols」
今日は、Youtube のこの演奏を聴いてみて下さい。(本当に残念ながら広告が入ってしまうんですが)
https://www.youtube.com/watch?v=KSt1Zljnql0
まさに天から響いてくる歌声。
その声がはるかかなたから近づいてくるんです。
そして、あぁ、こんな音楽があるんだ・・・というような別世界の音楽をいくつも届けてくれます。
そんな中に、意志的な力強さを感じさせる曲もあるんです。(This little Babe)
そして最後は、この歌声ははるかかなたに消えていきます・・・
バルトーク ピアノ協奏曲第3番
以前紹介したPrimeseatベルリンフィル配信で、バルトークの第3ピアノ協奏曲、それにステンハンマルの第2交響曲がブロムシュテットの指揮で聴けるというので、心待ちにしていました。
昨年、2曲とも48kHz24bit 配信が行われ、バッチリ全曲録音させてもらいました!
どちらの曲も、力で押すような演奏だと台無しになってしまう曲だとすごく思っています。
特にバルトークの方は、死の床にあった作曲者が協力者の応援を得ながら、最後の力を振り絞って書き続けた曲なんです。
このデリケートな陰影に富んだ音楽を、ちょっとでも力任せに演奏して欲しくない!
バルトークは、息子に次のように手紙に書いています。
私はお前の母さんのためにピアノ協奏曲を書くつもりだ。
長い間計画が宙に浮いていたものだ。
もしこれを彼女が3、4カ所で演奏できたら、私が断った委嘱作1作分くらいのお金にはなるだろう。
この第3協奏曲が、優れたピアニストであった妻への誕生日プレゼントになるように、とも考えていたようです。
この曲の作曲当時のバルトークは、白血病の末期段階を迎えていたのですが、本人が自分の健康状態をどこまで自覚していたかどうかは分かっていない、と言われています。
いや、彼ははっきりと分かっていたと思います。
白血病の辛さは最近の報道でも知られている通りだし、彼が病名を知らされていなかったとしても、死期を感じていなかったとは考えにくいでしょう。
そう推測させる根拠があります。
この曲の草稿には、最後のページに "vége"(ハンガリー語で「おしまい」)と書き込まれているんです。
病の苦しさと闘いながら、「やっとこれで最後だ!」
この曲も、作曲の仕事も、そして自分も ・・・ これで終わりなんだ、と。
スケッチを完成させた夏頃から急速に健康の悪化したバルトークは、
家族や知人の作曲家らに手伝ってもらい、病床で必死にオーケストレーションを続けました。
しかし、完成まであとわずかの9月に病院に担ぎ込まれ、作業は中断したまま、数日後ついに帰らぬ人となってしまうんです。
文字通りの絶筆になってしまいました。(その後、協力者たちによってこの曲は補筆完成されています)
実は、たった今、Primeseat でこの曲の配信を聴きながら書いています!
前回と同じピアノ独奏はアンドラーシュ・シフ、それにブロムシュテット指揮ベルリンフィルの演奏で、今日の最後のメインはブラームスの第1交響曲なので、前回とは別の演奏会かもしれません。
バルトークと言うと、いかにも難しくとっつきにくく、またピアノ協奏曲第2番などは過激で攻撃的と言える興奮を煽り立てるような音楽なんです。
そんな音楽を書いてきた人の最後の作品がこんなに simple になるとは・・・
とても同じ人が書いた音楽とは思えない・・・
この曲を紹介する時、自分だったら、「まずは、第1楽章の終わりのところから第2楽章全部を聴いてみて下さい」と言うと思います。
この曲の第2楽章を、夏の夜に明かりの周りを飛び交うかげろうに例えている評論家がいました。
翌朝には一生を終えるかげろうが、最後の夜に小さいながらに力を振り絞って優雅に飛び回っている。
最後に一瞬の輝きを放って儚く散っていく命・・・
自分はこのこじんまりした華やかさと儚さをいつも頭に浮かべてしまいます。
そして、特に、第2楽章の終結部。
こんなシンプルな楽章の、そして最後のたった2つの和音がどうしてこんな表現力を宿しているのでしょうか・・・
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