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2020年9月の記事一覧

気持ちを解放させる場所、心が自由になれる場所は絶対に必要

 男である自分は、家に帰ったりアウトドアに出かけたりする時は、自分が完全に開放されて自由になっているのを実感しています。

というか、それは自分には当たり前のことで、自分が自由になれる場所は当たり前にあるものだと思い続けてきました。

でも、家庭でも、オフの時でも、自由になり切れない人がいるということもやっと見えてきました。

たとえば、「いつも笑顔でいてくれる母親がふっと疲れた表情になる」ことに気付いたことはないでしょうか?

もし、このような母親に対して家族が完全に無理解であったとしたら?

この母親は精神的に追い詰められていくことになります。

あ、これは「家族が冷たいからそうなる」などとは簡単には言えない気がします。

母親が元気なうちは、母親自身の中で全部解決しようと頑張っているので、周りの家族は母親に甘えてしまっているのです。

でも、とっても元気な母親も体調が大きく変わる歳にさしかかった時、急に状況が変わってしまうような気がするんです。

自分の母親もやはりそうでしたし、また、身近なところでもこのような事例を見たことがあるので、これは決して大げさなことではないと思っています。

 さて、以下に、心療内科の女性医師が書かれていた記事を引用させていただこうと思います。

 

 「いつも明るく元気」「常に笑顔を絶やさない」

そんなふうに言われる人は本当にいつも元気なのでしょうか? 

「元気に見える」ことイコール「元気である」と考えるのは問題があります。

周りからいつも元気そうに見えることを期待されて負担を感じている人もいるのです。

接客業の方は元気で穏やかでいることが業務上の役割です。看護師などの業務でも同様です。

また職業を問わず、元気でなくても無理して元気に振る舞い仕事をするときもあるでしょう。

元気そうでないと仕事が減ったり評価が低下したりすることもあります。

元気がなさそうで不機嫌な人には仕事を頼みたくないものです。

ですから仕事では元気でなくても元気なふりをして過剰適応することになります。

これがストレスになるのです。

 

 ただ仕事とプライベートが完全に分けられていれば問題は少ないのです。

仕事で嫌な思いをしながらがんばって笑顔を作り元気なふりをしても、家に帰って家族に話したり、仕事終わりに同僚と疲れたね、とつらさを分かち合えば気分は楽になります。

落ち込んでいても、疲れた顔をしても、受け入れてもらえる場所があればほっとできます。

つまりいつも元気でいなくてもいい、本来の自分の感情を表現することができればいいのです。

感情を表現して解放すればつらい感情をため込まなくて済み、心の元気を回復できます。

 

 一方でオンとオフが分けられなくなる場合があります。

仕事でもプライベートでも役割を期待される場合です。

つい最近まで男は外で仕事、女性は家庭を守るという役割分担意識が根強くありました。

その影響で家庭での女性の役割は男性より大きいのが現状です。

良い親であることに対する女性の心理的負担感は男性と同じではありません。

もちろん男性も仕事でストレスがあっても家族に心配をかけたくないという思いで感情を抑える場合があります。

しかし、家庭において、男性は収入面で期待される役割が大きい一方、感情表現は比較的自由な場合が多いといえます。

家で口数が減ったり多少不機嫌でも受け入れられる男性に比べ、女性は家庭内で不機嫌だと良い母親ではない、良い妻ではないという評価を受けてしまいます。

「お母さんは元気で笑顔でいてほしい」という周囲の期待に応えようとすることで過剰適応状態になる女性もいます。

また仕事でもプライベートでも元気と笑顔を期待される職業は多岐にわたっています。

メディアに登場する人たちはタレントやキャスター、スポーツ選手などさまざまですが、仕事を終えたプライベートでも気が休まる場所は少ないと思います。

買い物しても外食しても常に他人の眼があり、そこで元気がなさそうな様子を見せたり不機嫌な対応をしたりすれば即座にSNSで「嫌な人」などと拡散されかねない時代でもあります。

 

 いつも元気で誰に対しても親切にしたいと思ってはいても、そのゆとりがないことは誰にでもあります。

だからいつも元気にしていなくてもいい場所を必ず作っておくことが必要です。

また周りから期待される役割から離れて許される自分の居場所を作ることも大事です。

自分の感情に気づいたら、無理に抑え込んだり無理に笑顔を作るのではなく、本当の気持ちをきちんと表現することが心の活気を保つ大事な方法です。