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渥美清さんの思い出

 「今日は久々に空気もカラッとしてるね~」
そう言われて、「ホントだね!」と答えました。
ここしばらく蒸し暑い日が続いたりしていましたから。

 木曜日に、渥美清さんの思い出がテレビでチラッと流れました。
真剣に見ましたよ。今でも寅さん大好きですから。

平成8年の夏、渥美さんが肝臓がんで亡くなり
渥美さんのニュースや関連番組がいくつも流されました。
「もう寅さんに逢えないんだ・・・」 自分はとてもショックでした。
そんな中でNHKの「素顔の渥美清」といった題の特番があったんです。
頭が空っぽになりました ・ ・ ・
そして自分は、渥美さんのこと、いや芸能人のことをまったく理解していなかったんだと気づかされました。

渥美さんは寅さんのような人ではなかったんです。
神経質で、感覚が鋭くて、気難しい面もあり孤独で・・・
いや、自分は今でも渥美さんが大好きだし、渥美さんの録画をもっともっと見たいんです。

渥美さんは、インタビューは好まない方で、個人的な話はほとんどしないと言われていました。
前述のNHK特番は、渥美さんが今まで決して語らなかった本音を、「自分の素顔を知ってもらいたい」と、遺言のように残したものなのではないでしょうか。
元気そうな表情は影をひそめ、淡々と、どこか遠くを見つめるように穏やかに語っていました。
「寅さんはどこに行っても一日中笑っていなけりゃいけないんだよね」と言って静かに笑っていましたが、自分には寂しそうにも見えました。
国民的俳優として名前が残るほどの渥美さんがさらに欲しかったのは、プライベートな自由? それとも他の作品に出演して色々な役者を演じること?
今の自分にはまだ分かりません。

小林信彦さん著の「おかしな男 渥美清」が昨日届きました。
小林さんは渥美さんと親交があった数少ない一人です。
「虚構に殉じた男の若き日の素顔を丹念に浮かび上がらせる、実感的人物伝」
食い入るように読み始めました。

最後に。
「渥美さん、本当にお疲れさまでした。画面の渥美さんにこれからも逢いにいきますからね!」