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住宅用れんがに電気を貯蓄 研究第1段階成功!

 住宅用の質素なれんがを、電気を貯蓄できるコンデンサーに生まれ変わらせる研究の第1段階が進み、将来、建物が文字通りの発電所になるのではないかとの期待が高まっている。

 この新しい技術で活用されているのは、焼成された赤れんがが持つ多孔性の性質だ。

れんがの小さな穴を、電荷を蓄えられる導電性プラスチックでできた微小ナノファイバーで満たしたところ、れんがに小さなライトが点灯する程度の電力を蓄えることができた。

容量を上げることができれば、現在使用されているリチウムイオン電池に取って代わる可能性がある!

 「電力れんが」は電気二重層キャパシタ (コンデンサ)だ。

電気二重層キャパシタは、静電荷として電気を固形物に貯蓄する。

利点は、充電・放電がバッテリーよりも速い点だが、今のところ、蓄電量はほんのわずかだ。

 電気二重層キャパシタのエネルギー密度とバッテリーの充電速度を上げる研究が世界中で進められている。

より効果的に蓄電する方法の発見は、気候危機対策で極めて重要となる。

再生可能エネルギーは潤沢であっても発電が断続的であるので、そうした電気エネルギーを必要な時まで保存しておけるようにする技術開発は非常に有意義である。

 

住宅の屋根にある太陽電池は、電力をどこかに貯蓄しなければならず、現在そのためにバッテリーが使われている。

 今回の第1段階の電力れんがのエネルギー密度は、リチウムイオン電池のわずか1%しかない。

金属酸化物などの素材を加えることで、れんがの電気貯蓄量は10倍に増やすことができると考えられている。

これが実現すれば、電力れんがが商業化される可能性もある。

 最終目標は、エネルギー密度をリチウムイオン電池と同じレベルにすることだ。

「これができれば、この技術はリチウムイオン電池よりずっと安価になる」とダーシー准教授。

「実現できたら、別世界になる。リチウムイオン電池は廃れてしまうだろう」

 リチャード・マクマホン教授は、非常に興味をそそられる研究だと述べた。

「エネルギー貯蓄の中でも、とりわけ電力の貯蓄は、現代において大いに関心を持たれている。

しかし今回の研究は、可能性を興味深い形で示したものではあるが、実用化はまだかなり先になる」

コロナ重症化防ぐ可能性?

 大阪府の吉村知事と松井一郎大阪市長が4日、

市販のうがい薬によるうがいで重症化を防ぎ人に感染させにくくする可能性があると発表した。

会見で吉村氏は、殺菌効果のある成分「ポビドンヨード」を含むうがい薬を使うと「陽性者が減るのではないかという研究結果が出た」と述べた。

 

【ポビドンヨードとは】

 ポビドンヨードは殺菌力、即効性に優れていることから、うがい薬、手指の殺菌、傷の消毒などに世界中で使われている代表的な消毒剤。

コンブやワカメなどに含まれるミネラルの一種であるヨード(ヨウ素)の酸化作用を利用した抗微生物成分。

ヨウ素のアルコール溶液であるヨードチンキなどは人体への刺激が強すぎるため、水に溶けやすくする成分であるポリビニルピロリドン(ポビドン)と合成することで広く普及した。

茶色い液体が特徴。

繰り返し使用すると細菌やウイルスが、その薬に対する耐性を持ち、効き目が落ちる場合があるが、ポビドンヨードは耐性を持った細菌やウイルスにも有効とされる。

妊婦、甲状腺機能に異常がある場合は使用に注意が必要

鉛蓄電池(カーバッテリー)の過充電で硫化水素が発生する?!

 新潟県上越市の上信越道で、25日夕方から26日朝まで舗装工事のパトロールをしていた2人が26日、

駐車していた車の中で意識不明で見つかり、死亡が確認されました。

パソコンや回転灯に使うため車内に積まれたバッテリーから異臭がしていたということです。

異臭の原因は硫化水素だったようです。 

なぜ、バッテリーから硫化水素が発生するのでしょうか。

高校化学での勉強では、鉛蓄電池の充放電の反応で硫化水素HSが発生することは教わりません!

 

高校化学で学ぶ鉛蓄電池を充電する時に起こる反応は次の通りです。

 PbSO(正極) + PbSO(負極) + 2HO → PbO(正極) + Pb(負極) + 2HSO・・・①

この反応だけなら硫化水素HS等の気体は一切発生しません。

この他、通常でも上の図以外に過充電による反応が多少起こっています。

この時水HOの電気分解が起こり、気体の水素H、酸素Oが発生しています。

 2HO → 2H↑ + O↑ ・・・②

この時発生する水素に毒性はないものの、空気と共に充満すれば爆発の危険性があります!

過去の経験ですが、父親がスクーターのバッテリーの充電をしている際、自分がショートさせてしまい、バッテリー上部が破裂して壊れてしまったんです。

バッテリー内部の電解液上部の空間に溜まった水素と酸素の混合気(爆鳴気ですね!)に電気火花で引火させてしまった訳ですね。

また、発生する細かい気泡が液面ではじける時、希硫酸の霧も生じることになります。

 

 でも、ここでも硫化水素ガスは発生していません。

調べてみましたが、詳しい反応は見つけられませんでした。

考えられるのは、充電は電気分解であり、電気分解は強制的に酸化還元反応を起こさせる操作です。

上記①の反応だけなら、酸化還元を受けている元素はPbだけですが、

②の反応が起こる時は、酸化還元を受ける元素はH、Oにも及んでいます。

こんな具合で、さらに条件が変化すれば、希硫酸HSO中のSが還元されることも考えられます。

SO → HS が起こった時、Sの酸化数は+6 → -2 と非常に大きく変化しますが、電気分解なら充分考えられることだと自分は思います。

 

 さて、では、この鉛蓄電池(カーバッテリー)の使用について、通常どのような注意が必要なのでしょうか?

 

<通常の車載使用では>

 充電中は水素ガス、酸素ガス、酸霧(希硫酸)が少量ですが発生しています。

これらの物質によって付近の物が影響を受ける恐れのある場合は特に配慮が必要ですが、

当初から車載されている状態なら、自動車メーカー側で対策がされているので、ほぼ心配は無いと考えられます。

バッテリーからの発生物質は外部へ放出され、また過充電されにくいよう電気的に制御されています。 

 

<特殊な使用状況では要注意!!>

 バッテリーが古い、バッテリー液が少ない、過充電する、等の条件によっては、まれに硫化水素が発生します。

今回の死亡事故では、「ソーラーパネルによる過充電」「バッテリーを密閉された室内に設置」といった条件が重なって起こったようです

特に、特殊な使い方をする場合は、今回の事件を踏まえて充分に注意すべきでしょう。

「スーパームーン」! 8日夜に見えるかも!

8日は、地球と月の距離が近付き、満月が大きく見える「スーパームーン」となる。

気象庁によると、同日は西日本の一部を除き、やや雲の多い空模様となる見通しだが、

夜空に晴れ間が広がれば普段より明るく輝く満月が見られそうだ。

月は、地球の周りを楕円軌道で回っている。

8日には約35万7000キロメートルまで近付くため、今年最も地球に近い満月となる。

国立天文台によると、今年最も遠い満月(10月31日)に比べ、見かけの直径は約1.14倍となり、約30%明るく見えるという。

 「新型コロナウイルスの影響で外出しにくい状況なので、大きい満月を見て元気を出してもらえれば」とのことです!

 

PS.7日の今夜も見えていますよ!