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埼玉・飯能、入間「クマ目撃通報」多発 東北などの人的被害報道後

 埼玉県の飯能市と入間市で今秋、

「クマを目撃した」という市民からの通報が多数寄せられている。

飯能市は例年の5倍以上、入間市にとっては異例だという。

なぜ今秋、両市でクマの目撃情報が多発しているのか、背景を探ると・・・

 

 飯能市鳥獣被害対策室によると、

10月~11月の通報は、市街地南部の新道記念碑付近(10月22日)を最初に、

東京都青梅市に接する下畑地区(11月28日)の計15件。

同対策室の中村孝一室長は、

「赴任してから4年間で10月、11月の過去3年間の通報は2、3件だった」と今年の多さに驚く。

一方、入間市生活環境課によると、

同市の10月~11月の通報は、仏子の7件など計13件。

同市の担当者は、

「過去にアライグマの目撃通報はあったが、入間市にクマがいる話は聞いたことがない」としている。

目撃地点の多くは、

東西約6キロに両市をまたがる「加治丘陵」(標高最高地点で約250メートル)に接する地域だ。

 

鳥獣被害対策室によると、

同丘陵にはクマが生息している可能性はほとんどなく、

飯能市内でクマが生息しているのは東京都青梅市北部と接する山間地域だという。

そして、目撃情報が異例に多い理由として両市の担当者が指摘するのが、

9月~10月に東北地方などでクマの人的被害があったことが報道されたことだという。

「加治丘陵近くの目撃はカモシカではないか。

未明や薄暗いときに遠目で見るとクマと勘違いしやすく、

全国のクマ被害報道に心理的に影響されたのではないか」

飯能市の中村室長は、

「実際のクマとみられるのは、生態系からして上名栗の山伏峠など3件ぐらいでは」と話す。

加治丘陵から目撃情報のあった阿須近くにある大学に通学途中の大学生に取材すると、

付近の林で撮影したという色の黒いカモシカの写真を見せ、

「この辺りはカモシカしか出ないが、確かに黒く間違いやすい。

知らなかったら、クマと間違えて見えるのでは」と説明した。

とはいえ、カモシカであっても農作物などを食べれば被害も生じる。

中村室長は、

「野生動物を目撃したら市に情報を寄せていただけるとありがたい」と市民に呼び掛けている。

 

市内にお住いの横山満さんから、

ニホンカモシカに遭遇した際の写真が提供されましたのでご紹介します。

 

【加治丘陵でニホンカモシカに遭遇】