音楽日記
共生へのアンサンブル
3月12日のクラシック音楽館は、
『共生へのアンサンブル』コンサート ~「孤独のアンサンブル」をこえて
の演奏会を中心に構成された番組でした。
新型コロナによるパンデミックになった2020年から3年弱経った昨年の12月1日に開催された演奏会で、
緊急事態制限で外出もままならない孤独な練習から、
ソーシャルディスタンスの制約での演奏を経て、ようやく以前の状況にもどるまでを、
各楽器奏者の独奏から共生へのアンサンブルへと繋いでゆく趣向のコンサートでした。
クラリネットソロで、チャイコフスキー「花のワルツ」
オーボエフルート2重奏で、グノー「アヴェ・マリア」
ソロやデュオでは、奏者の技量がないと、すぐに退屈になってしまうんですが、
花のワルツ、クラリネット1本であれほどの表現が出来るとは!!
後半は4曲しか聴けなかったんですが、大オーケストラ用の3曲とハイドン、本当に素晴らしかった!!
編成は確か、ヴァイオリン3、チェロ2、フルート1、オーボエ1、クラリネット1、ファゴット1、トランペット2、ホルン1、トロンボーン1、打楽器なしだったと思います。
これでマーラー(第6のアンダンテ)もやったんです!
シベリウス「フィンランディア」、ムソルグスキー「展覧会の絵からキーウの大門」は、ウクライナの勝利を願って演奏されたんじゃないでしょうか?
そして、私たちの「コロナの克服」が見えてきた希望としても。
最後は、ハイドンの告別交響曲を奏でることによって、各プレーヤーが元のオーケストラに帰っていくという趣向でした。
まず、これほどの小編成で「聞かせる演奏」になっているというのは、
各プレーヤーの最上の技術、それに、これも最上のアンサンブル能力がないと不可能なのです!
そして、決してオーケストラの演奏に負けていない!
オーケストラ演奏の代用でもない!
自分は、小編成のアンサンブルは大オーケストラより上の表現が出来ると思っています!
小編成では大音量は出せませんが、細やかな彫りの深い表現に驚かされます。
立体的な表現も、実は小編成の演奏の方が上手なんです。
例えば、水戸室内管弦楽団のマーラーのCD!(音源が直接紹介できないのは残念です・・・)
サンサーンス「動物の謝肉祭」10名ほどの編成なんかも良く分かると思います。
Youtubeなら、篠崎さんのマロオケの演奏がいくつか聴けます!
安直な効果なんか全くないので、物足りなく聞こえるかもしれません。
でも、
「基本に忠実に、誠実に音を彫琢していく」
これが真の迫力に繋がっていくことにいつか気付くと思います!!
さらに、ここに奏者の感興が乗ってきた時、
鳥肌が立つような演奏に出会うことがあるんです!!
ぜひぜひ、上質の小編成の演奏を聴いてみて下さい!!
1つ、この演奏を紹介したいと思います。
チャイコフスキー「弦楽セレナード」
演奏:サイトウキネンオーケストラ(小編成)
そして、第2楽章だけでなく、第3楽章エレジアもお聴き逃しなく!
素晴らしく感動的なフィナーレまで続けて聴けます!
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