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2021年10月の記事一覧

電気分解の実験

 机上で勉強したことが、実際はどういった変化となって、見たり匂いを嗅いだりして実感することが出来るのか?

こういうことを体験できるのが実験という訳なんですが、実験を行う時は操作も簡単で、実験している人が「あーそうだよな!」と実感出来るやり方を確立させなければいけません。

そこで、実験書やWeb情報など活用して調べるんですが、最終的な現場(実験室)での知恵もすごく重要になると思っています!

現任校の実験についてなんですが、実験方法がとても良く考えられていて、改良も随所に施されていることをいつも実感しているんです!

今回は電気分解の実験を4種類行いましたが、生徒たちにとって結果も分かりやすく実感できたのではないかと思っています。

 

まずは、塩化銅(Ⅱ)CuCl2 水溶液の電気分解です。

この溶液中では、CuCl2 が Cu2+ と Clー に電離して、これらのイオンが水中を漂っています。

そしてこれらのイオンが各電極に引き寄せられ、次のような反応が起こります。

 陽極(+) 2Clー → Cl2 ↑ + 2eー (気体の塩素が発生)

 陰極(ー) Cu2+ + 2eー → Cu (金属銅が析出)

こんな感じですね!

これを実感できる実験ですが、下を見て下さい。

この006P乾電池(懐かしい!)を使えばワンタッチで電圧をかけられますし、配線も不要ですね。

また、この細い紙はヨウ化カリウムでんぷん紙という酸化力のある物質を検出する試験紙です。

この実験ならピンセットではなく指先でつまむ操作で充分でしょう。

とても分かりやすい結果が確認出来ていますね!

陰極には赤っぽい金属銅が付着していますし、陽極から発生した塩素ガスの酸化作用によってヨウ化カリウムでんぷん紙が青紫色に変色しています。

塩素ガスは臭いでも確認出来ていましたが、発生した量はごく僅かで問題は起きませんでした。

 

次は、ヨウ化カリウム KI 水溶液の電気分解です。

この溶液中では、 KI が K と I に電離してこれらのイオンが水中を漂っています。

 陽極(+) 2I → I + 2e (固体のヨウ素が析出)

 陰極(ー) HO + 2e → 2OH + H ↑ (気体の水素が発生)

こんな感じです。

陰極では気体の水素が気泡となっていますし、このあと陰極付近にフェノールフタレイン溶液をたらすと、ピンク色(赤色と覚えて下さい)に変色しOHの生成が確認出来ます。

一方の陽極では、固体のヨウ素Iが生じたあとすぐに水中のヨウ化物イオンIと結合してIとなり、このために褐色となるのです。

だけなら濃い紫色が現れるはずですね。

 

このようなシンプルな実験器具なんですが、炭素棒を固定するセパレーター、試験用の指示薬や溶液を入れたプラスチック製の小容器、時間を測る小さな電子式ストップウォッチなど、毎回の実験で有難さを感じる細かい配慮がなされているんです。

いつも有難うございます!! 

異種金属間に生じる電位差の実験

 金属は陽イオンになりやすく、金属が陽イオンになる時に電子を押し出します。

金属によってこの電子を押し出す強さが異なるので、2つの異種金属を電解質溶液に浸すと、これら2つの金属電極に電位差が生じることになります。

この電位差が電池の起電力に相当します。

 

 食塩水で湿らせたろ紙の上に、亜鉛Zn、鉄Fe、銅Cu、マグネシウムMg、

の4つの金属を置き、デジタルマルチメーターで電圧を測定する実験を行いました。

 

 

デジタルマルチメーターですが、今回使用したのはそれほど高価なものではないそうですが、この実験には性能的に充分なようです。

旧式のアナログ電圧計だと、内部抵抗がそれほど大きくないので電圧が上手く測定できないと思います。

今回の実験での測定値は小数点以下3ケタも表示してありますが、実験方法がややラフだったこともあり、測定値はそれほど正確ではありません。

まあ、おおよその傾向は読み取れたと思います!