「米がウクライナ裏切るかも」 欧州首脳の生々しい電話協議 独報道
2025年12月5日 20時29分
ロシアとウクライナの停戦に向け、米国が双方と協議中の和平計画案を巡り、独誌シュピーゲルは4日、
欧州の首脳らが1日に内密に実施した電話協議の内容を報じた。
「米国がウクライナを裏切るかもしれない」といった発言もあり、米国に対する不信感が浮き彫りになっている。
米国のウィットコフ中東担当特使らは2日にロシアを訪問してプーチン大統領と会談しており、
事前に対応を協議する狙いがあったとみられる。
シュピーゲルによると、電話協議には独仏伊やEUの首脳に加え、ウクライナのゼレンスキー大統領も参加した。
シュピーゲルは英語の議事録を入手したという。
それによると協議では、
和平計画案がロシア寄りの内容でまとまることを警戒する発言が相次いだ。
マクロン仏大統領は、
「米国が『安全の保証』を不明確にしたまま、領土問題でウクライナを裏切る可能性がある。
ゼレンスキー氏には大きな危険が迫っている」
と懸念を表明した。
メルツ独首相は、
ゼレンスキー氏が「今後数日間は非常に注意すべきだ」と述べ、慎重な対応の必要性を指摘した。
メルツ氏は、米国で交渉を担当するウィットコフ氏やトランプ米大統領の義理の息子クシュナー元大統領上級顧問についても言及。
「彼らは我々をもてあそんでいる」
と、交渉に臨む姿勢を批判した。
フィンランドのストゥブ大統領は、
ウィットコフ、クシュナー両氏がウクライナに大幅な譲歩を強要することを懸念し、
「ウクライナとゼレンスキー氏を彼らに任せて放置してはいけない」
と欧州のサポートが必要だと指摘。
NATOのルッテ事務総長も同意したという。