森友学園関連文書一部を遺族に開示 行政側の混乱も記録
2025年4月4日 21時54分
森友学園に関する決裁文書の改ざんに関与させられ、
財務省近畿財務局の赤木俊夫さんは自殺しました。
赤木さんの妻が国に開示を求めてきた関連文書が、4月4日に一部開示されました。
<森友学園問題とは>
森友学園をめぐる問題が発覚したのは8年前の2017年2月。
小学校の建設用地として学園に売却された大阪豊中市の国有地が、
8億円余りも値引きされていたことが明るみになりました。
土地の鑑定価格は9億5600万円でしたが、
財務省近畿財務局は新たに見つかったごみの撤去費用などとしておよそ8億2000万円を値引きし、
2016年6月、1億3400万円で学園側に売却していました。
小学校の名誉校長が当時、総理大臣だった安倍氏の妻昭恵氏だったことなどから、
野党は、政治が関与した不当な値引きではないかと追及しました。
一方、安倍氏は、
「国有地の払い下げに私や妻が関係していれば総理大臣も国会議員も辞める」
などと関与を強く否定し、国会で激しい論戦となりました。
財務省側は「値引き額は適正に算定された」と繰り返し説明しましたが、
学園側と事前に価格交渉が行われていたことが明らかになるなど、
売却価格の妥当性が問われるさまざまな疑惑が指摘されました。
会計検査院は2017年11月、
値引き額の算定方法について
「十分な根拠を確認できない。資料が保存されていないため十分な検証が行えない状況となっていた」
などとする検査結果を国会に提出しました。
<改ざん発覚 赤木俊夫さんが自殺>
財務省をめぐっては2018年3月、
学園との国有地の取り引きに関する決裁文書を改ざんしていたことが明らかになりました。
改ざんは14の文書で行われ、
昭恵氏や政治家の名前が記された部分や、
学園側との事前の価格交渉をうかがわせる記述などを削除していました。
改ざん発覚の5日後、
近畿財務局の職員の赤木俊夫さん(当時54)は、
改ざんに関与させられたことを苦にみずから命を絶ちました。
さらに、財務省側が国有地の取り引きをめぐる学園との交渉記録を意図的に廃棄していたことも明らかになりました。
2018年6月、
財務省は調査報告書を発表し、
佐川宣寿元理財局長が決裁文書の改ざんや記録の廃棄の方向性を決定づけたと認定しました。
<地検が告発受理も不起訴に 前理事長夫妻は実刑>
一方、大阪地検特捜部は、
財務省などの担当者が土地を安く売って国に損害を与えたとする背任容疑や、
決裁文書を改ざんした虚偽公文書作成などの疑いでの告発も受理し捜査を進めましたが、
刑事責任を問うのは難しいと判断し全員を不起訴にしました。
学園側の不正も次々に明らかになりました。
森友学園の籠池泰典前理事長夫妻は、
小学校の建設工事や幼稚園の運営をめぐり、
国や大阪府、それに大阪市の補助金、あわせて1億7000万円余りをだまし取ったとして、
詐欺などの罪に問われ、おととし実刑判決が確定しました。