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新型コロナ感染の状況について、厚生労働省の正林健康局長に伺った

新型コロナ感染の現状について、厚生労働省正林健康局長に聞いた。

 

Q:宣言の効果が、なかなか見えません。

 

正林局長

「これまで何度も緊急事態宣言を発して国民の皆さまに自粛をお願いしてきて、今までは、少し我慢しようかという気持ちがあったと思うのですが。

さすがに1年以上やってきて多くの国民はずっと抑制されることについて反発もあると思いますし、もういいかげんにしてくれという思いもあるかと思います」

 

Q:感染はいっこうに収まらず、人出も減っていません。

 

正林局長

「今はワクチンが最大の武器ですので、できるだけ多くの方に接種していただくことに全力を傾けています。

10月から11月にかけて、希望する方に、だいたい接種が終わるので、そのころになると、かなり今とは様相が変わってくるのではないかと考えています。

ただ、これまでに経験したことのないスピードで感染が拡大しています。

今の感染のスピードがずっと続くと、病床が不足して、本当に普通だったら助かる命が助からなくなる、そんな状態も危惧されます。

それなのに危機感が国民に響いていない。

どうしたらいいのか。

悩ましいです。

なんとか国民の命を守るために、職員もほぼ不眠不休で、いろんな対策を考えたり、対策を講じたりしています。

しかし、我々の危機意識が国民と共有できないことについてのジレンマとか、つらさを感じることがあります。

最後は国民のご協力がないと、いくら政府が対策を打っても、うまくいかないんです」

 

Q:どうしたら国民と危機感を共有できるのでしょうか。

 

正林局長

「(しばし考え込んだうえで)どうすればいいのでしょうか・・・」

そして、局長は再び考え込んだうえで、こう語り始めた。

「私はどこまで想像力を働かせることができるかが大事かと思います。

まず自分の一番大事な人を想像していただいて、それは、奥さまであったり、ご主人であったり、あるいはご両親であったりお子さんであったり、大事な友人であったり恋人であったり。

その方が感染し、重症化し、場合によってはお亡くなりになる、そういうことを想像していただけたらと思います。

きちんとマスクをする、手洗いをする、それから飲食店に行ってもマスク会食をする、お酒を飲んで大声で騒いでしまうことなどを避けていただく。

人混みに行かない。

もっとも大事な方が感染しないようにということを想像しながら、みずからの感染対策をしっかりとっていただく。

これが大事なんだということを、ぜひ多くの国民と共有できたらと思っています」

 

 局長も、妻や娘、息子のことを思い浮かべながら、話していたのだろうか。

災害とも言われる“第5波”。

まさに災害と同様、「自分の身は自分で守る」ことも大事なのかもしれない。

感染を抑え込もうと、もがく官僚たち。

局長は、インタビューのあと、若い世代の声を直接聞いて回りたいと口にしていた。