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地震でやけどの5歳児 入院できず亡くなる

石川県志賀町に住んでいた中川叶逢くん(5歳)

「オムライスとから揚げとか好きでした。

『ママ作ったご飯おいしい』って。

スーパーで仕事の服を着ている人に会うと

『お仕事お疲れさま』と、全く知らない人にも言っていました。

すごく優しい子でした」

 

「元気に生まれまして、大きくて」

スマホの中に詰まった息子とのたくさんの思い出。

叶逢くんは、能登半島地震に命を奪われました。

「生まれてきてくれてありがとうとか、

叶逢のママでよかったよとか、

もっと色々したかったとか、

もっとどこでも連れて行ってあげればよかったとか、

時間をもっと作ってあげればよかったという後悔があります」

 

元日の夕方、大きな揺れが石川県を襲いました。

2人は志賀町の親戚の家にいて、石油ストーブでお餅を焼いていましたが、

地震でのせていたやかんが倒れ、熱湯が叶逢くんにかかりました。

やけどの範囲がおしりや足など広範囲に及んでいたため、すぐに救急車を呼びましたが・・・

「救急車が来ないので自分の車で行こうと思って。

道路も割れているし、怖かったんですけど。

おしりのやけどだったので、車に乗ったら『痛い』と言って乗ってくれなくて」

「やけどでは出動できない」と一度は断られるも、

自力で移動できず、再度119番して別の町にある病院に搬送されました。

 

しかし・・・

「処置したら終わりって感じ。

すごく泣いていました。

『痛い』って。

薬も塗るけど痛がるし、皮もめくれていて肉が見える状態だったので、

危険な状態なのになんで入院させてもらえなかったのかな・・・」

入院出来ず、自宅での治療を余儀なくされた叶逢くん。

3日の朝に高熱を出し、同じ病院の集中治療室に入りました。

しかし、その時も・・・

 

「部屋があくまでずっと救急の入り口で待っていて、

顔もちょっと青白くなっていて、色変わっていて、もう息がとまっていることがわかって・・・」

待機をさせられた叶逢くん。

5日に息を引き取りました。

「熱湯が私に全部かかっていたら無事やったのかなとか考えたりしています・・・」