国連人権理事会 侵攻の非難決議採択
国連人権理事会で、
ロシア軍が撤退したあとのウクライナの首都近郊などで多くの市民の遺体が見つかったことを受けて、ロシアの理事国としての資格が停止されました。
その人権理事会で12日、
ロシアの軍事侵攻は国際人道法違反だと強く非難し、国連の独立委員会が速やかに調査を進めるべきだとする決議案の採決が行われました。
採決に先立ちウクライナの代表は
「重大かつ組織的な人権侵害や戦争犯罪、人道に対する罪が刻々と積み上げられている。
残虐行為の責任を追及するためさらなる措置を取ることは、私たちの共通の義務だ」
と訴えました。
これに対して中国の代表は
「決議は公平性も客観性も欠き、事態の平和的な解決ではなく緊張と対立を招く」
などと主張しました。
採決の結果、ベネズエラなど12か国が棄権、中国、エリトリアの2国が反対しましたが、33か国の賛成多数で決議は採択されました。
ロシアは理事国としてではなく決議の関係国として発言を求められましたが、
代表は議場に姿を見せず
「ロシアの息の根を止めたいという欲望から、欧米はナチズムの復活まで容認するつもりだ」
などと、猛烈に反発する声明を出しました。
この人権理事会での採択結果は全く公正で、異議を挟む余地は全くないと思います。
ただ、このタイミングで出てきたロシア側の発言について、無視してはならない内容が含まれていると感じます。
現状では西側が支援を強めるウクライナが攻勢に転じつつあります。
この機会にロシアの息の根を止めたいという考えが、色々なところから出てくる可能性もあるのではないでしょうか?
今回の侵攻についてももちろんですが、過去の様々な暴挙についても決して忘れ去られることはないはずですから。
でも、国としてのロシアだけではなく、ロシアにも多くの市民がいます。
心を持った良識ある市民が多数いるはずです。
そのような人たちの息の根まで止めてしまうなど、あってはならないことでしょう。
過去の大戦の例でも明らかなように、
敗戦や敗戦後の処理などによって、危険な思想は追いつめられた国から芽生えてきたのではないでしょうか?
独裁政治や軍国主義に突き進んでいってしまった国を身近なところで私たちは見てきたはずですし、現在もそのような国家が存在しているのではないでしょうか?
現状を動かしている西側の指導者の方々は、ウクライナを支援しつつ、
今後の落としどころについて、冷静で大きな視点に基づいた判断をして下さるよう願っています。
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