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スマホ脳から脱却すべし!

 アンデシュ・ハンセン氏は、ベストセラー「スマホ脳」の著者です。

 

 

 ハンセン氏によれば、私たちがスマートフォンを片時も離せなくなるのは「期待」のせいだという。

「重要なニュースがアップされるかもしれない」「次のタップで役に立つ情報が手に入るかもしれない」と期待することで脳内物質が分泌され、その気持ち良さによって私たちはスマホを手放せなくなるという。

だから私たちはスマホから逃れられずに無駄な時間を費やしている。

そんなスマホ習慣に対抗するには、運動することが重要だとハンセン氏は言う。

 

 運動をした後は気分が良くなります。

しかし、誰も運動中毒にはなりません。

そして、私たちには怠慢という特性があり、体を動かしてカロリーを減らすことはできるだけしたくありません。

それゆえに「運動をすると脳は気持ち良くなり、もっと運動をしたくなりますが、必要なカロリーが得られれば、その後は怠慢に負けてしまうのです」

 昔から腹八分目というが、脳にもそれがいえるようだ。

腹がいっぱいになれば脳は体を動かそうとしなくなる。

だから、怠慢に負けないためには、食べ過ぎないように節制した生活をするべきなのだ。

 

 「私たちの認知機能、記憶力や集中力、創造力は運動による影響を受けています。

運動はうつ病や不安症のリスクを減らします。

しかし、私の母国であるスウェーデンでは若者の歩行量は2000年に比べて30%近くも低下しています。

これは心の問題と戦う力が落ちていることを意味します。

 脳のコンディションを整えるには、年齢を問わず、運動が必要だ。

 スウェーデンでの調査によれば、2000年以降、子どもたちの運動量が低下したのはスマートフォンの影響でした。

同じことは大人にもいえます。

運動は学習力も向上させるので、運動しないことは生活に深刻な影響を与えるでしょう。

 

集中力を高めるための 簡単な方法

 運動を続けることでセロトニンやドーパミンなどの脳内物質の分泌量が増え、脳のパフォーマンスを向上させ、幸せな状態を維持しやすくする。

スマートフォンのような外部の刺激に頼らずに、体の中から幸せを感じられるように脳が変わっていくのだ。

 脳が感情や印象を創出するときや、自分自身が喜びや不安を感じるときは、環境からシグナルを受け取るのではなく、自分の肉体が発するシグナルを受け取ります。

つまり、肉体の状況が感情を生み出し、快不快を生み出します。

したがって、運動で身体機能を向上させることは、不安やうつに対抗する力を生み出すことにつながります。

 私たちの脳は体とつながっているため、体を健康にすることは脳を健康にすることと同義なのだ。

 若い時には寝食を忘れて何かに集中できたのに、中高年になって集中力が大幅に低下したと痛感している人は多いだろう。

 しかし、ハンセン氏によれば、「人は長い間、生き残るためには常に周囲に気を配る必要があったため、もともと気が散りやすい」という。

 では、獲物に襲われる心配のない現在において、

集中力を維持するためにはどうすればいいのか。

答えは簡単だ。

集中を妨げるものを自分から切り離せばいいのである。

 ハンセン氏は、

「スマホを別の部屋に置くべきです。

そして、自分が興味を持てることで、ほどよく難しく、退屈と不安の中間のようなものを課題にすれば、集中力は高まります」とアドバイスする。

 「この数十年で労働環境は大きく変わり、コンピューターが多くの労働を肩代わりするようになりました。

今後、人々が行う重要な仕事の多くは、集中力や注意力を要するものとなるでしょう。

デジタル機器の誘惑を振り切り、運動によってその力を養うことは、仕事で成功するためにも必要だといえるでしょう」

 にもかかわらず

「私たちは動かなくなり、眠らなくなり、状況はどんどん悪くなっている」

とハンセン氏は警鐘を鳴らす。

 ひとまずスマホを別の部屋に置き、散歩でも自転車でもいい、1日10分の運動を習慣づけることから始めよう。

私たちの心と体はつながっているのだ。