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ここには本当の空がない・・・智恵子抄より

「あどけない話」

 智恵子は東京に空が無いという

 ほんとの空が見たいという

 私は驚いて空を見る

 桜若葉の間に在るのは

 切っても切れない

 むかしなじみのきれいな空だ

 どんよりけむる地平のぼかしは

 うすもも色の朝のしめりだ

 智恵子は遠くを見ながら言う

 阿多多羅山の山の上に

 毎日出ている青い空が

 智恵子のほんとの空だという

 あどけない空の話である

  (高村光太郎)

 

毎日の生活では、本当の空の色は見れません。

でも、「いつも本当の空が見れないと嫌だ」という気持ちが強くなっている時は、

実生活を上手にこなせなくなっている時だと思うんです。

実生活の環境は最上ではないし、人との関わりや簡単ではない仕事なんかもあります。

そんな中で、気持ちも少しは図太く、神経質にならずに、細かいことは気にせず生きていく必要があるんじゃないでしょうか?

 

この智恵子のようなところがある身内がいます。

ものすごく明るく元気な反面、そんな一面も併せ持っているんです。

彼女の繊細で神経質な面が顔を出している時は、周りの人間はハラハラしながら見守っているしかないんです。

 

でも、彼女は真剣にそのことを訴えているのかもしれない、と考え込む時もあります。

そんな時、自分はどうしたらいいのか、分からなくなってしまうんです・・・