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戦争の中の芸術家

 

 ドイツの指揮者フルトヴェングラーは、ユダヤ人楽団員を守りながらドイツに留まり、

戦後ナチ協力者の疑いをかけられた。

 

ソビエトの作曲家ショスタコーヴィチは、スターリン体制で生き延びるために意に沿わない作曲を続け、

独ソ戦では反ファシズムの象徴となる交響曲(第7番)を作る。

彼の作品の中には、隠されたメッセージが込められている。

第7交響曲の反ファシズムとは、ナチズムに対してだけでなく、ソビエト国家の弾圧に対してでもあるといったメッセージ。

最も国家に迎合して書かれたとされる第5交響曲でさえ、メッセージが隠されていた。

輝かしいフィナーレの中でビゼーのカルメンの引用「気をつけろ!」が鳴らされる箇所。

 

芥川賞作家、火野葦平は、従軍して書いた「麦と兵隊」がベストセラーとなるが、

戦後は罪の意識に苦しんだ。

火野は「革命前後」を書いたあと、自ら命を絶った。