ウクライナ ロシアに48時間以内の会合を要求
ウクライナのクレバ外相は、ロシアが国境付近で部隊を集結させていることについて、11日に同国に公式に説明を求めたが、無視されたと述べた。
クレバ外相はその上で、「次のステップ」は48時間以内に会合をもち、ロシアの計画について「透明性」を確保することだと説明した。
<ウクライナのNATO加盟めぐり「柔軟」対応も>
ロシアは西側への要求の1つとして、ウクライナにNATO加盟を認めないことの確約を挙げている。
これに対しNATOと西側各国は、ウクライナを含む主権国は自己決定権を持つと反論。
権利の中には、防衛同盟への加盟を求めるかどうかも含まれるとしている。
しかし、ウクライナのプリスタイコ駐英大使は13日、
「戦争を避けられるならNATOに加盟しないことも、検討するのか」との質問に対して、
「そうするかもしれない」と答えた。
司会者が重ねて、NATO加盟を目指す方針はウクライナ憲法に明記されていると確認すると、
大使は「最善の解決策を見つけるため、柔軟に対応する用意がある」と答えた。
<米政府は全職員の退避準備か>
ロシアはウクライナとの国境周辺に10万人規模の兵士を集めている。
だが、ウクライナに侵攻する計画はないとしている。
一方、西側のいくつかの国は、ロシアが侵攻の準備を進めていると警戒。
アメリカは、ロシアによる空爆が「いつでも」始まり得るとの見方を示している。
自国民にウクライナ出国を呼びかけている国は十数カ国以上に上る。
首都キエフから大使館職員を引き上げた国もある。
米CBSニュースは米政府関係者の話として、アメリカが48時間以内に現地の政府職員全員を退避させる準備をしていると伝えた。
ロシアは、ウクライナとの国境沿いに部隊を集結させていることについて、自国の事情による領土内での行動だとしている。
ロシアのウシャコフ大統領補佐官は13日、アメリカがロシアによる侵攻が近いと警告を発していることについて、「ヒステリーが最高潮に達している」と述べた。
<ウクライナとアメリカの大統領が電話協議>
こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアが近日中の侵攻を計画している証拠はないと説明。
侵攻が近いとの説から広がり得る「パニック」について批判した。
ゼレンスキー氏は13日、アメリカのバイデン大統領と1時間近く電話で協議した。
米政府によると、バイデン氏はウクライナへの支援を改めて強調。
両首脳は「外交と抑止の努力を続ける重要性」で一致したという。
ウクライナ政府は電話協議の内容について、
ゼレンスキー氏がバイデン氏に「揺るぎない支援」への謝意を述べたと説明した。
終了間際には、ゼレンスキー氏がバイデン氏をウクライナに招待したという。
米政府はこれについてコメントしていない。
前日の12日には、バイデン氏とロシアのプーチン大統領が電話で協議したが、事態の打開には至らなかった。
現地からの報道によれば、キエフではパニックが広がる様子は見られていない。
ただ、アメリカなどがロシアによる侵攻について警告を発していることが、一部で影響を及ぼしている。
週末には航空会社の一部が、ウクライナ行きの便を欠航した。
ウクライナ政府は、数億ドル相当を投じて、航空機の安全と航路の確保に努めているとした。
ウクライナでは2014年7月、ロシアの支援を受けた反政府勢力が支配する東部で、マレーシア航空機が撃ち落とされて298人が死亡している。
<ドイツ首相がプーチン氏と会談へ>
各国の外交努力は続いている。
ドイツのショルツ首相は、14日にウクライナのゼレンスキー大統領とキエフで会談を予定している。
15日にはロシアのプーチン大統領とモスクワで会談する。
昨年12月に首相に就任したショルツ氏は、ロシアが侵攻すれば厳しい経済制裁を受けることになると警告している。
これは、西側諸国やNATO加盟国と同調するものだ。
ドイツ政府関係者は、事態打開の可能性は高くないとしている。
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