「何もしない」ことの大切さ
昨夜何気なくテレビを見ていたら、松山ケンイチさんが映っていました。
自分は、松山ケンイチさんや菅田将暉さんといった方たちの演技に無意識に惹かれるんです。
自然体というか、決して変に飾ったりしない。
でも、充分に熱い心を秘めている・・・
以前、松山さんが対談の中でこんな話をしていたのを思い出したので、紹介しようと思います。
今の世の中に対する核心を突いた話だと、強く感じるものがあったんです。
これ、あんまり伝わらないんですけど・・・
東日本大震災が起きた2011年に、大河ドラマ『平清盛』の撮影が始まったんですよ。
『平清盛』っていうのは、自分のなかで一番大事な作品なんですね。
ひとりの人物の若いころから死ぬまでやれるって、役者としてなかなかない機会だし、宝物だと思っていて。
取材で岩手に行った時、酔っ払ったおじさんに「『平清盛』視聴率悪かったね」って言われたんですよ。
第一声、それなんだ。
岩手でも撮影してたのに・・・
って思った時に、でも、これでよかったのかもしれないと思い直したんです。
ーーよかった?
そういう風に何かの「はけ口」としての役割をもらったんじゃないかなと。
勝者がいるってことは敗者がいて、敗者がいなければ勝者はいないわけですよね。
もしかしたら敗者にならなきゃいけない、そんな役割も担っていたんじゃないかって。
武士が政権を握るっていう、いままであり得なかったことを清盛はやって、結果的に源頼朝に「バトンを渡した」わけです。
そこから鎌倉幕府、本格的な武士政権ができあがった。
清盛という敗者がいなければ、武士の世の中は来なかった。
だから「滅んだ」というよりは、「バトンを渡した」という感じなんじゃないかなと。
自分が勝ったとか負けたとかをずっと判定していくと、やっぱりどこかで苦しくなる。
周りになんと言われても、自分が判断しなければ、大して苦にならないような気はするんですよね。
最近も大河ドラマの『いだてん』が低視聴率だと叩かれていて・・・。
でも作品の良さって必ずしも視聴率だけでは測れない。
どれだけ深く刺さるかとか、熱さだとかもあるわけじゃないですか。
そこに対して、何かを吐き出したい人たちがいるわけですよね。
世の中の出来事に、何かちょっと言わないと気が済まない。
それで叩く、攻撃するっていうのは、ちょっとおかしいんじゃないかなと僕は思います。
みんながみんな「視聴率が…」って言うんじゃなくて、笑って許してあげられたら一番いい。
ーー松山さんが「守りたいもの」は?
できるだけ「何もしない」っていうことを守っていきたいですね。
ーー何もしない、ですか。
心配事だとか不安を解消するために、いろんなことをやってきましたけど、やればやるほど、また何かをやらなきゃいけなくなる。
だから、自分を放っておくことが、いまは大事なんじゃないかなと。
不安だから、幸せになりたいから、平穏に暮らしたいから、って文明ができあがったわけですけど、じゃあみんな平穏に心豊かに暮らせているかっていったら、そういうわけでもないので。
この仕事うまくいかなかったな、とかウジウジしたりすることもありますよ。
でもその一つひとつに対処していたら、どんどん多忙になってしまう。
だから、「何も考えない」「何もしない」っていうことを守れたらいいな、と思いますね。
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