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ささやかな営みさえも破壊するロシアのミサイル

 先日、ウクライナ東部ドニプロの集合住宅が、ロシアのミサイル攻撃を受けた。

 

外壁が失われて丸見えになった台所には、黄色いシステムキッチンが見える。

ボクシングの有名コーチ、ミハイロ・コレノフスキーさんの自宅だ。

居心地のよさそうなキッチンが、ロシアの攻撃によって突然、

完全に破壊されたことが見て取れる。

外壁がすっかり破壊されたにもかかわらず、

鮮やかな黄色のモダンなシステムキッチンは、驚くほど無傷のままだ。

テーブルの上には、リンゴを入れたボウルが置かれている。

シンクわきには、洗うはずだった食器が残されている。

壁のフックには、オーブン用の手袋がきれいにかけられている。

 

ここで、料理し、話し、休日を祝い、笑い、時には言い争いもしたことだろう。

 

戦争の激化にもかかわらず、

ウクライナの家族が、できる限りふつうの生活を営もうとしていることも見て取れる。

このキッチンでは最近、コレノフスキーさんが娘の誕生日を家族と祝っていた。

インターネットに公開された動画では、

大きな誕生日ケーキを贈られた少女が笑顔を見せ、

4本のろうそくを吹き消していた。

黄色い食器棚や、壁にかけられたオーブン用手袋、テレビなども映っていた。

 

この集合住宅をロシアのミサイルが直撃したのは14日だった。

16日夜までに、子ども3人を含む40人の死亡が確認された。

そして、まだ30人以上が行方不明となっている。

 

コレノフスキーさんの妻と子どもたちは生き残ったと伝えられた。

しかし、コレノフスキーさんは帰らぬ人となった。

シンク横の皿は、彼があとで洗うつもりだったのかもしれない。

しかし、その時間は永遠に失われてしまった・・・