ゼレンスキー大統領 プーチン氏の核兵器使用に「世界が備えるべき」
ゼレンスキー大統領は15日、
プーチン大統領がウクライナに対する戦争で
戦術核兵器を使用する可能性に「世界のすべての国」が備えるべきだとの認識を示した。
プーチン氏はウクライナ国民の人命を尊重していないため、
核兵器もしくは化学兵器の使用に踏み切る可能性があると述べた。
「私だけでなく全世界が懸念する必要がある。
本当の情報ではない可能性があるが、真実の可能性もあるからだ」としている。
さらに
「ロシアは化学兵器を使う可能性がある。
彼らにとって人々の命など何でもない」
「恐れるべきではないが、備えをする必要がある。
だだ、これはウクライナだけでなく、全世界の問題だと思う」とも述べた。
ゼレンスキー氏は50日間続く戦争で一度もウクライナを離れていない。
この間、ウクライナ軍はロシアによる首都キーウ奪取の試みに抵抗し、
ロシアは戦争努力の重心を東部や南部に移さざるを得なくなった。
米当局者は、プーチン氏が追い詰められた場合、ウクライナで戦術核兵器の使用に踏み切る可能性があると警鐘を鳴らす。
バーンズCIA長官は14日、
CIAはこうした可能性を注視していると明かす一方、
米国はロシアがそうした措置を準備している兆候をまだ確認していないとも述べた。
ゼレンスキー氏はウクライナ当局者の見方として、
今回の戦争で約2500~3000人のウクライナ兵が死亡したのに対し、ロシア兵の死者数は1万9000~2万人に上ると指摘した。
ウクライナ兵の負傷者数は約1万人に上っており、
「何人が生き残れるかは分からない」とも述べた。
「民間人について話すのは非常に難しい。
南部ではヘルソンやベルジャンスク、さらに東のマリウポリ、ボルノバーハ東郊の地域といった町や都市が封鎖されているからだ。
封鎖中の地域で何人亡くなったのかは分からない」
今週には女性が井戸に沈んだ息子の遺体を見つける場面など、ウクライナでの死と惨状を示す悲惨な映像が相次ぎ公開された。
これについて聞かれると、ゼレンスキー氏は
「大変痛ましい」と心情を吐露した。
「父親として見ていられない。
これを見た後には報復して殺したいという思いしか湧かないからだ」としつつも、
「この国の大統領として私は見なくてはならない。
多くの人が命を落としたり愛する人を失ったりした国、そして生きていたいと願う人が何百万人もいる国の大統領として」と語った。
さらに「我々は全員、戦うことを望んでいる」としたうえで、
「だが、終わりのない戦争にならないよう最善を尽くす必要がある。
戦争が長引くほど失うものも増える。
すべての喪失はあのようにつらいものになる」と語った。
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