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ウクライナをめぐる「情報戦」

 「熊が来る」という嘘は三度目となったのだろうか。

2月16日に侵攻があるかのように米国政府が危機を煽っていたのはたしかだから、またしても嘘をついたことになると筆者には思われる。

 筆者が何度も主張しているのは、米国政府がリークしたロシアによる「ウクライナ侵攻計画」など存在しないということであり、それは米国政府による、意図的で不正確な情報にすぎないということである。

このとき、米国政府が明らかにしたのは、全面的なウクライナ侵攻計画であったが、事実として、そんな全面侵攻はいま現在も行われていない。

部分的な武力衝突の話であれば、ドンバスではずっとつづいているのであり、それが激化するか否かといった問題にすぎない。

そしていま、ロシア軍の一部撤退の真偽をめぐる情報戦が展開されている。

塩原俊彦 高知大学准教授