美味しい魚のはなし

マイワシのなめろう

 「なめろう」は新鮮な魚をたたきにして味をつけたもので、
たたいて出てきた粘り気、残りを舐めるほどおいしい、というところが語源になっているようです。
漁師さんが沖の漁船上で作っていた料理であることから、「沖膾」(おきなます)という別名もあるそうです。

では、まずは何よりも新鮮な大きめのマイワシを手に入れましょう。
買ってきたら、下処理で手が汚れる前に、大葉を刻み、しょうがをすりおろしておきます。


次は、マイワシをキレイにします。


上の2匹(@65円)は小型で安く、下の2匹(@128円)と比べて脂乗りがまったく違っていました。
とにかく、鮮度が同じなら、ケチらず、大きい方を買いましょう。
キレイに洗ってウロコも取り、ヒレとアタマを取り、腹の中もキレイに掃除します。
イワシの場合、中骨周りの血合いは流水をかけながら、指先で引っ掻くように落としてしまいます。
刺身やなめろうなら、カマも切り落としておきます。


次は、手開きで腹骨以外を取ってしまいます。
手が汚れるので、結果だけ撮っておきました。


この骨は絶対に捨てないで!
後で、美味しい骨せんべいを作りますから。
さて次は、腹骨をすき取ります。


この腹骨周りの身も、脂たっぷりで、焼いて美味しく食べられますから捨てちゃダメです。
では次に、皮引きです。


アタマ側から手でキレイに皮がむけます。
むいた皮は写真右上に丸まって見えますが、これも後で焼いて食べます。
皮をむいた身を良く見て下さい。
皮の真下に脂があるのが分かるでしょう?  特に上の2枚は脂乗りがいいですね。
では、いよいよ身をたたきます。


まずは、このように身をざっくりと細かく刻んでおき、
さらに、包丁の刃でたたいていきます。


今回はざっくりとたたき、あまり細かくしませんでした。
最後に薬味の大葉、おろししょうが、味噌とみりん(約1:2)を混ぜ合わせます。


混ぜるのもざっくりでいいと思います。


出来ました!!
熱いご飯に盛って、ガツガツ食べて下さい。
もちろん、味は保証します。 とってもうまいですよ!!
なめろうをご飯にかけて、熱いお茶をかけて食べる「孫茶」もいいですよ。
マイワシの代わりに、ウルメイワシ、マアジでも美味しく出来ると思います。
また、このなめろうが残ったら、焼いて食べて下さい。
「さんが焼き」と呼ばれる、これも美味しい料理になります。

さて、先ほどの切り落とした身はアルミホイル上で焼きます。


見た目に反して旨いんですよ。これも。
あとビックリなのが、骨なんです!


これは、オーブントースターで、アルミホイル上で8分ほど焼いたものです。
魚焼きグリルだと、焦げてしまってダメなんです。
味付けは一切していません! もちろん、塩も振っていません。
いかに魚に味があるかを証明している逸品と言ってもいいと思います。
これもぜひ試して欲しいんです!