2021年6月の記事一覧
セッケンを自作する時に考えること
勤務校の授業でセッケンを作る実験を行いました。
セッケン作りは久しぶりでしたが、牛脂(ヘット)、ヤシ油(ココナッツオイル)、ヒマシ油の混合油脂に水酸化ナトリウムを反応させる一般的な方法で作りました。
上の2つの液体には色が付いていて、色も違います。
これは、出来たセッケン素地に糖を入れ温度を上げ、糖を少しだけ焦がすことで色を付けています。
色が濃い方はブドウ糖を使っています。
この2つのセッケンを容器に2段重ねになるように流し入れて、プリンのようなセッケンに仕上げています。
面白いでしょう?
このようにセッケンは割と簡単に作れるんですが、品質のいいセッケンを作ろうとするとちょっと難しいんです。
セッケンを作る時の反応は、
油脂 + 水酸化ナトリウム → 高級脂肪酸ナトリウム + グリセリン
のように進み、「高級脂肪酸ナトリウム」がセッケンの本体です。
同時に生じるグリセリンは、肌触りを良くする効果も期待出来るので取り除かない方がいいでしょう。
さて、この反応で、油脂が過剰だと生成物には油脂が含まれ脂っぽいセッケンになるので良くないですね。
また、水酸化ナトリウムが過剰だと生成物に残った水酸化ナトリウムが含まれてしまい、人体には使えないセッケンになってしまいます!
しかし、どちらの原料も反応に過不足なく計量するのは簡単ではないし、適量混合出来たとしても混合物質は100%反応せずにごく少量残ってしまうようなんです。
上の写真を見ると、出来た液体は薄い褐色の均一な透明溶液になるので、反応は完結しているように見えるんですが・・・
そこで、ずっと考えてきたのは、
この反応(けん化)を起こすために、水酸化ナトリウムではなく、炭酸ナトリウムが使えないかということです。
炭酸ナトリウムなら過剰に使って残ったとしても、人体への影響が少ないでしょうから。
以前、炭酸水素ナトリウムを使って2晩ほどかけて反応させるよう試みたんですが、全く反応しませんでした。
このけん化反応を開始させるには水酸化物イオンOH-が重要な働きをします。
炭酸水素ナトリウムの加水分解によって生じるOH-は非常に少ないので(塩基性がごく弱いので)、より塩基性の強い炭酸ナトリウム水溶液なら上手くいくのではないかという見通しです。
元々セッケンは、肉の脂身に灰(炭酸カリウムが含まれる)が降りかかって偶然に発見されたと言われています。
また、ケイ酸ナトリウムを使って作る例も紹介されています。
ですから、油脂と炭酸ナトリウムでも上手く行きそうだと思っているんです。
でもネット検索してみると、灰でセッケンを作る例は見つかるんですが、炭酸ナトリウムで作る例は見つかりません・・・
ちょっと挑戦してみようと思っているんです!
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