「占領者に領土を明け渡すことはない」 ゼレンスキー氏がトランプ氏らをけん制
2025年8月10日 14時32分
トランプ大統領とプーチン大統領が来週、
アラスカ州でウクライナ和平について協議する構えを見せる中、
ゼレンスキー大統領はソーシャルメディアで
「ウクライナ国民が占領者に領土を明け渡すことはない」
とけん制。
「ウクライナに不利ないかなる決定も、ウクライナ抜きのいかなる決定も平和に反する。
無意味に終わる」
「われわれウクライナ抜きでこの戦争を終わらせることはできない」
と付け加えた。
ゼレンスキー氏は、
ウクライナは「平和をもたらす真の決定を下す準備ができている」
と述べたが、詳細は明らかにしなかった。
トランプ氏は8日に、プーチン氏との首脳会談を発表し、
「ウクライナとロシア双方にとってより良い形となる領土交換が行われるだろう」
と述べたが、詳細は明らかにしなかった。
「単なる見せかけ」 ウクライナ国民は冷笑的
今月15日に米アラスカ州でトランプ大統領とロシアのプーチン大統領の首脳会談が行われる見通しとなったことについて、
ウクライナの首都キーウの市民が取材班に反応を語った。
キーウでCNNの取材に応じたアルテムさん(33)は米ロ首脳会談について、
「単なる見せかけ」とコメント。
トランプ氏を「口先だけの腰抜け」と評した。
「向こうで何か交渉している間にも、人が死んでいる。
もし合意できる、あるいは合意したいのであれば、すでにそうしているはずだ」
とも語った。
トランプ氏は8日、戦争終結に向けた交渉の一環として、
ロシアとウクライナの間で「一部領土の交換」が行われることもあり得ると示唆した。
ナタリヤさん(48)は、和平実現のためドネツク州をロシアに割譲する可能性に触れ、
「不公平で恐ろしい」話だと形容した。
「どれだけ多くの男の子や女の子が亡くなったことか。
不幸にして脱出する機会がなく、占領下で私たちのことを待っている人がどれだけいることか。
彼らは死の脅威にさらされながら、ウクライナのことを待っているというのに」
スビトラナさん(57)は、プーチン氏に攻撃を停止する意思はないとの考えを語り、
ウクライナの勝利への展望は厳しいとの見方を示した。
「私たちには国土を守る武器がない。
タウルス・ミサイルも長距離兵器もない状況で、ドローンでは領土を奪還できない。
人口の規模では明らかに比較にならない」
とスビトラナさん。
「プーチン(大統領)が死亡していなくなるのを待つことにする。
そうすれば状況が変わるかもしれない」
と言い添えた。