台湾で「中国に融和的な野党議員のリコール問う」住民投票
2025年7月26日 16時07分
台湾では26日、
「中国に融和的」とされる最大野党、国民党の議員を対象にしたリコールを問う住民投票が行われています。
台湾の議会、立法院では、
議員にあたる立法委員の半数近い議席を持つ最大野党の国民党が、
別の野党と連携して防衛費を含む予算を削減するなど、
少数与党となっている頼清徳総統の民進党は厳しい政権運営を強いられています。
こうした中、台湾各地の市民団体が、
国民党は中国が台湾で影響力の拡大を図る「浸透工作」に加担しているとして、
国民党の議員24人に対するリコールを行い、
この賛否を問う住民投票が26日に行われています。
対象となる議員のそれぞれの選挙区で、
リコールへの賛成票が反対票を上回り、かつ有権者数の4分の1以上になれば罷免が成立します。
民進党は現在、立法院で51議席にとどまっていますが、
多くの国民党議員が罷免され、その後の補欠選挙で新たに6議席を獲得すれば、
単独過半数を確保できます。
一方、国民党は「民進党や市民団体が社会の対立を引き起こしている」と非難しています。
台湾で大規模なリコールが行われるのは異例で、議会の構図が変わるかどうかが焦点です。
投票は、日本時間の26日午後5時に締め切られ、即日開票されます。
大勢は26日の夜にも判明する見通しです。
26日午前、台北市内の投票所では、投票に訪れた有権者が長い列を作っていました。
投票を終えた20代の男性は
「立法院の議員たちは、対中国政策について異なる考え方をもっています。
台湾の人々がみずからの選択を行うと信じています」
と話していました。
また、70代の女性は
「私たちはみな台湾の平和を望み、次の世代がよい教育を受けられることを願っています」
と話していました。