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コロイドの実験

 コロイド粒子は、通常の無機質の分子やイオンの10~1000倍の大きさがあります。

食べ物は、コロイドやコロイドが固まって出来たものがとても多いんです。

牛乳、スープ、ゼリー、豆腐、そしてクリームなんかもコロイドなんですね!

さて、コロイド粒子は大きいのに沈殿せず媒質(水など)中を漂っていられるのは、コロイド粒子が同種の電荷を帯びていて、大きなかたまりにならないからなんです。

無機質のコロイドで見やすく簡単に実験できるのは、水酸化鉄(Ⅲ) Fe(OH)を使ったものでしょう。

沸騰水に塩化鉄(Ⅲ) FeCl 水溶液を少量たらすだけで 赤褐色のFe(OH)コロイドが生成します。

これをセロハンチューブの中に入れて、セロハンチューブごと水中に浸したものが下の写真です。

セロハンはポリ袋(ポリエチレン製の袋)と違って小さなすき間が無数に存在しています。

このセロハンのような膜を半透膜と呼んでいます。

コロイド粒子はこのような半透膜の小さなすき間をくぐり抜けられません。

ですから、水やイオンなどの粒子はセロハンのすき間を通過できますが、コロイド粒子はセロハンチューブの外側に出ていけないんです。

これを利用した上の写真のような操作を透析と呼び、コロイドの精製などに使われます。

人体内の腎臓でもこれと同様のことが行われていて、血液中の老廃物だけが腎臓内の半透膜を通って尿として体外に排出されるようになっているんです。

腎臓の機能が著しく低下してしまった時に行われる人工透析では、体外に血液を導いて人工腎臓装置に透析を行わせている訳ですね!