2022年2月の記事一覧
冬季五輪 選手がさらされるリスク
「高みを目指すためにハイリスクも覚悟する」
そして、もし大ケガをしてしまった後は歩くことさえも出来なくなってしまう・・・
本当にこれでいいのでしょうか?
このような競技環境の中でのアスリートたちは、その競技から自ら退くという選択は容易には出来ないでしょう。
私たちは、オリンピックの華やかな面だけに目を向けるだけでなく、アスリートたちが常にさらされている厳しい現実にも目を向けるべきだと思っています。
自分は身近に脊椎疾患を目にしているので、特に脊椎に損傷を負うリスクが高い冬季の競技は、見ているだけで怖くなってしまうんです・・・
ケガという言い方は、軽く聞こえてしまったり、一過性の回復するものといった印象を受けたりしませんか?
腰椎や頸椎のケガである脊椎損傷とは、想像以上に重篤な結果をもたらすものなんです!
皆さん、
特にアスリートは怪我を恐れる気持ちとかはしまい込んでしまっています。
でも周りの人たちは?
そのアスリートがもし皆さんの大切な人だったらどう感じるでしょうか?
考えてみて下さい。
先日3日、スノーボード女子代表、芳家里菜選手が練習中の激しい転倒で脊椎を負傷し、大会を棄権することを明らかにした。
22歳の芳家は、スロープスタイルコースでジャンプからの着地で転倒し、救急車で搬送された。
診断は脊椎損傷。
今のところ、麻痺は起きていないというのが唯一の救い。
そして、スキー・フリースタイルの近藤心音選手は、スロープスタイルの公式トレーニング中に、ジャンプ台からの着地で転倒し、右膝外側側副じん帯の損傷を負い、ビッグエアへのエントリーを取り消した。
また、女子スロープスタイルのジェイミー・アンダーソン選手が、北京冬季五輪のコースは「防弾の氷」のようだと表現し、人工雪の上を滑走するのが「怖くなった」とコメント。
「会場はほとんどが人工雪だと思うから、あまり理想的ではない」とし、「絶対に転倒したくない」と話していた。
過去の冬季五輪では、出場選手の少なくとも10%が負傷し、7%が何らかの病気に罹患したとする調査結果が、英医学誌に発表されている。
オスロのスポーツ医学チームは、五輪期間中に選手の健康を管理した世界82か国のオリンピック委員会の担当医ならびに、「五輪クリニック」で収集されたデータを基に分析を行った。
<ボブスレーやアイスホッケーが最も危険>
最も危険なスポーツは、ボブスレー、アイスホッケー、ショートトラック、フリースタイル、スノーボードクロスで、けがのリスクはトレーニングにもよるが15~35%だった。
けがのリスクが5%以下と最も低かったのは、ノルディックスキー、リュージュ、カーリング、スピードスケート、フリースタイルモーグルだった。
ただ、リュージュでは、選手が練習中にポールに激突して死亡するという事故が起きている。
けがの半数はトレーニング中に、残りの半数は競技中に発生した。
けがの内容は、ほとんどが打撲か、首や脊椎、ひざの損傷だった。
けがの約4件に1件は、トレーニングの続行もしくは競技への出場を断念せざるをえないものだった。
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