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2022年2月の記事一覧

市販薬乱用するオーバードーズ 若い女性が依存した理由

 今朝、いつものラジルアプリでNHKニュースを聞いていたら、

「若者の薬物依存・・・」と言っているのが聞こえて思わず耳を疑ってしまいました。

良く聞いてみると・・・

かぜ薬などの市販薬を大量に飲むことで気分が楽になったりするんだそうです。

これで、つらい現実から逃避出来るとひそかに噂が広まっていると言っていました。

これは典型的な「薬物依存症」ですよね?

以前講演会を聞いた時に勉強したことを思い出しました!

薬物依存というのは特定の禁止薬物の服用で起こるだけではないんですね。

市販の一般的な治療薬などでも間違った使い方をすれば、薬物依存症になるんだと!

薬物依存を避けるためには、こういった間違った服用はほんのちょっとでも絶対に経験しないことが重要でしょう!

このことについて、正しい知識を身に着けておいて欲しいと思います!

今日は、この記事を紹介したいと思います。

 

 風邪薬など市販薬を大量に飲むことで気分を楽にさせ、悩みから逃避する「オーバードーズ」。

いま、若い世代を中心に増えています。

若者はなぜ、市販薬を乱用するのでしょう。

広島で暮らす28歳の女性、Aさんは、3年にわたる依存から抜け出したばかり。

「もう自分を失いたくない」と語ります。

 

 きょうも目覚めは最悪だった。

背骨が固まっている感じがして動けない。

頭の中には何か黒いドロドロしたものがたまっているよう。

何も考えられない。

でも、バイトに行かないと・・・

つい、せき止め薬の瓶に手が伸びる。

真っ白な錠剤から20錠ほど流し出して思った。

ちょっと多過ぎるかも。

まあ、いい。

ボリボリと噛んで飲み込んだ。

 

 これが、ほんの1年前のAさんの日常だった。

薬を飲んで30分もすれば「元気が出てくる気がした」。

帰宅後も薬がないと気がめいり、長い夜をやり過ごせなかったという。

数時間ごとに約20錠ずつ飲むと、頭が「フワフワ」してくる。

目の前の部屋の壁がグニャグニャと動きだす。

「幻覚を見ていると、つらい現実が遠くにある気になれた。

また最悪な朝が来るのに、やめられなかった」

 

 始まりは25歳の頃。

Aさんは精神的に不安定な母親から離れ、県外で介護の仕事をしていた。

自らもうつ病の治療中。

「人に認められないと」と焦るのに、いざ動こうとするとしんどくてたまらない。

「市販薬でハイになれるよ」。

友人の一言で飲み始めたという。

 薬を飲むと、憂鬱な気分は不思議と消えた。

だが、効果が切れると、すさまじい倦怠感に襲われる。

薬を飲む量も頻度もみるみる増えた。

 

 「薬をやめたい」。

病院を訪ねたのは半年ほど前だ。

もう体が悲鳴を上げていた。

息苦しく、吐き気がする。

物忘れもひどくなった。

友達の話についていけず、情けなかった。

「普通に生活しようと飲み始めた薬のせいで、普通に息をすることもできていない。

何とかしなくちゃ」と

 

 本気で減薬しようと、広島で1人暮らしを始めた。

その治療は想像以上につらかったという。

離脱症状で体が激しく震える。

自分が惨めで、絶望感が押し寄せる。

また薬を欲してしまう自分と闘いながら、過眠と不眠を繰り返した。

 

 ようやく落ち着いたのはここ最近だ。

時折、まだ手が震えるが、息苦しさは消え、気軽に外出もできる。

Aさんは今、「普通に暮らせる喜び」をかみしめている。

「何がつらいのかも分からないまま、つらさを薬でごまかし、『普通』を繕っていた」。

自らをそう振り返り、強い思いを口にした。

「薬に逃げず、自分と向き合いながら生きていきたい」

(小林旦地)