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今年の猛暑 温暖化の影響と思いたくはなかったが・・・

【この100年で最も暑い夏!】

 全国の平均気温が、7月としてはこの100年余りで最も高くなりました。

全国の7月の平均気温は平年と比べて1.91度高く、

気象庁が1898年に統計を取り始めてから最も暑い7月となりました。

 

【50年に1度の猛暑  昔38℃ → 現在41℃】

 気候変動や異常気象を研究している東京大学大気海洋研究所の今田由紀子准教授に話を聞きました。

過去の気象データの分析と、将来の気候のシミュレーションを行っています。

「50年に1度」の極端な高温は、1900~1949年では38℃前後でしたが、

2000~2022年では41℃くらいまで高まっているんです。

38℃は「3年に1度」以上の高頻度になり、

1900~1949年の数十倍ほどの確率で起こりやすくなっていたことがわかったのです。

 

【猛暑の原因は?地球温暖化の影響は?】

 エルニーニョ現象やラニーニャ現象といった自然現象に、

都市化によるヒートアイランド現象、そして地球温暖化が複雑に重なり合っています。

この中で、地球温暖化がどの程度影響しているのかをシミュレーションして調べました。

今田准教授は、

温暖化が進んでいる気候と、仮に温暖化が進まなかった場合の気候を、

それぞれコンピューター上でシミュレーションし、猛暑日の日数を比較しました。

その結果、平成30年7月の例では、温暖化が進んでいなかった場合に比べて、

関東平野一帯の猛暑日は、4日から6日程度増えていたという結果になりました。

さらに、首都圏の都市部では

「ヒートアイランド現象」のため、気温がさらに高まるおそれがあるということです。

人間活動による温室効果ガスの排出が原因の地球温暖化が、

厳しい暑さに影響していることは疑いようのない事実です。

適切な対策をしない限り、

暑さによる健康被害や農作物への影響は、さらに深刻化していくおそれがあります。

 

【今後の暑さ 私たちに何ができる?】

 すでに被害が出ている異常な暑さ。

今後もさらに気温が高まることが懸念されています。

私たちにできることはないのでしょうか。

 

 残念ながら、我々が努力したとしても、

しばらくの間は気温上昇が続いていくと考えられます。

ただ、人間活動による温室効果ガスの排出が、

厳しい暑さに影響していることは疑いようがないので、

まずは温室効果ガスの排出削減が急務です。

そのための政策は、国や自治体から打ち出されてはいますが、

それを国民一人一人が実感し、支持するところがまだ足りていません。

一人一人が声をそろえ、排出削減の取り組みを支持することで、

国が打ち出す政策が実現に近づくと思います。