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神奈川県の異臭騒ぎのこと

 ここ数日神奈川県内で異臭騒ぎが相次いでいます。

今日のニュースで知ったんですが、この異臭は6月から続いているそうです。

「ガスのような臭いがする」「ゴムが焼けた臭いがする」といった通報が寄せられているそうです。

この事件について、周辺の大気を採取し分析を進めていた横浜市が13日に会見を開きました。

「ガソリン等の燃料の蒸発ガスに含まれるイソペンタンやペンタン、ブタンといったものが、通常の大気中に比べて高い濃度で検出された」

「また、化学製品の原材料や物を燃焼した際に発生するエチレンやアセチレンも検出された」

ということです。

異臭の発生源は現時点では不明で、直ちに健康に影響を及ぼすことはないということも発表されました。

 

さて、検出された物質は、すべて高校教科書でも出てくる比較的炭素数の少ない炭化水素です。

 ①ペンタン C12(CHCHCHCHCH

 ②イソペンタンC12(CHCHCH(CH)

 ③ブタンC10(CHCHCHCH

 ④エチレンC(CH=CH

 ⑤アセチレンC(CHΞCH)

②は発性の高いベンジンのような液体で、気化した気体はベンジンやガソリンのような臭いがします。

また、④は気体で、かすかに甘い臭いがしますが、熟れた果物もこの気体を発しているので臭いを想像できるのではないでしょうか?

残りの③、⑤は無臭の気体です。

アセチレンには臭いがあると経験している人がいるかもしれませんが、カルシウムカーバイドと水の反応で生じたアセチレンガスは臭いのある不純物を含んでいるのです。

純粋なアセチレンは無臭です。

ということで、「ゴムが焼けた臭い」に関連するような物質はなさそうですよね?

異臭の原因がはっきりと究明されて欲しいと思っています。